宇宙育種の新品種、日常生活に浸透―中国

人民網日本語版    2024年4月15日(月) 20時30分

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中国で宇宙育種の新品種が日常生活に浸透している。

清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)前に種まきを終えた後、江西省遂川県碧洲鎮の農家の王頭生(ワン・トウション)さんは時々田んぼに来て、「宇宙ハス」の成長具合を確認している。人民日報が伝えた。

王さんは、「宇宙を旅したハスの実は本当に違うんだ。1ムー(約6.7アール)当たり生産量が倍増し、新鮮で甘い食感だ。1ムー当たり生産量は500kgで、粗利は6000元(約12万6000円)。本当に生活を豊かにしてくれるハスだ」と述べた。

王さんが言う「宇宙を旅したハスの実」とは、宇宙育種の成果「太空蓮36号」のことだ。現在の普及面積は133万ヘクタール以上で、中国全土のハクレン栽培面積の80%以上を占める。

中国農業科学院作物科学研究所党委書記を務める国家宇宙育種工学首席科学者の劉録祥(リウ・ルーシアン)氏は、「宇宙育種は種子を再利用宇宙船に乗せて宇宙に送り込み、宇宙放射線、微小重力、高真空などの特殊環境を利用し種子の遺伝子変異を引き起こす。種子が地上に戻った後、遺伝可能な優良変異を選択し、優良・高生産量・多耐性の植物新品種の育成に用いる」と説明した。

1987年8月、中国の9基目となる再利用衛星が初めて稲や唐辛子などの種子を載せ、中国の農作物種子の宇宙旅行を開始した。中国は現在までに3000回以上の宇宙育種搭載実験を行い、260以上の主食穀物審査・認定品種を育成した。野菜、果物、植物、花の新品種は100に上る。食糧生産量が年間で200万トン以上増え、1000億元(約2兆1000億円)以上の経済効果を直接もたらした。

「野菜の里」と呼ばれる山東省寿光市の中国国際野菜科学技術博覧会10号館の宇宙育種展示エリアでは、トマト、ナス、唐辛子などの野菜が順調に育っている。同館の責任者である馬尊娟(マー・ズンジュエン)氏は、「ここでは13の新品種が展示されている。いずれも宇宙育種成果の代表で、高い生産量、優良、早熟、強い耐病性などの利点を持つ」と説明した。

山東省平度市明村鎮大黄埠村党支部書記の呉仁傑(ウー・レンジエ)氏は、「宇宙トマトは現在、第5世代以上の栽培となった。市民は今年の夏に味わうことができる。これらのトマトは色が濃く、相対的に大ぶりだ。村では今年、宇宙トマトを0.33ヘクタール植えた。すくすく育っており、大ぶりで、生産量が多い上、非常に甘い。専門家の検査によると、含まれるリコピンは普通のトマトの4−6倍だ」と述べた。

原産地が北米地域のクランベリーは今や黒竜江省の特産品になっている。独自の知的財産権を持つクランベリーの新品種を育成するため、黒竜江省撫遠市のクランベリーの種子は、有人宇宙船「神舟」に2回搭乗した。こぶしより大きなパプリカ、大きく甘いイチゴもある。宇宙の種が撒かれ、発芽し、実となり、人々の食卓を彩り、人々の味覚を豊かなものにしている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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