人民網日本語版 2024年3月19日(火) 13時30分
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中国は現在、新たな設備更新推進を加速させている。
中国は現在、新たな設備更新推進を加速させている。このほど発表された「大規模な設備更新と消費財の下取り推進行動案」は重点業界の設備更新と技術革新を推進するとしており、5兆元(約100兆円)以上の巨大市場になると試算されている。この政策はどのような業界や分野に影響を及ぼすのだろうか?
2024年「政府活動報告」は、各種生産設備とサービス設備の更新・技術革新を促進し、消費財の買い替えの奨励と促進を行うとしている。
中国国務院は13日、「大規模な設備更新と消費財の下取り推進行動案」を発表した。「行動案」は6つの面に関して計20項目を挙げており、2027年をめどに、設備投資規模と環境保護の成果、工業企業のデジタル化のほか、廃車回収量といった面で具体的な目標を制定し、財政や税収、金融政策サポートといった面における計画を立てている。
中国国家発展改革委員会の鄭柵潔(ジョン・ツァージエ)主任は5日、第14期全国人民代表大会第2回会議の経済をテーマにした記者会見において、「質の高い発展が踏み込んで推進されるにつれて、設備更新の需要が拡大し続けている。現時点で、5兆元以上の巨大市場になると試算されている」とした。
中国銀行研究院は、今回の大規模な設備更新は固定資産投資の成長を1.2~1.5ポイント、GDP成長率を0.4ポイント前後押し上げると見ている。また、「下取り」政策実施により、2109億から6293億元規模の自動車や家電の新たな需要が創出され、GDP成長率を約0.16~0.5ポイント押し上げるとみられている。今回の消費財の「下取り」政策と新エネ車や新型家電を農村に普及させる優待制度が相乗効果を発揮すれば、さらに大きな消費のポテンシャルが引き出されることになりそうだ。
新たな設備更新は、どのような産業に積極的な波及効果をもたらすのだろうか?この点について、北京社会科学院の王鵬(ワン・ポン)副研究員は以下の五つの業界に集中するだろうと指摘している。
■設備製造業
大規模な設備更新は設備製造業の発展を直接けん引し、生産設備や工業設備、消費系電子設備のいずれにしても、メーカーは「行動案」の受益者となるだろう。
■部品・サービス業
新設備の生産と使用には、往々にして大量の部品や関連サービスが必要となる。そのため、部品のサプライヤーやメンテナンスサービス提供会社、技術サポート会社なども受益者となるだろう。
■物流・運輸業
設備更新は往々にして大量の物流と輸送の需要を伴う。新しい設備を消費者の所にまで届けるにしても、古い設備を回収して処理するにしても、物流会社や運輸会社のサポートが必要となる。そのため、「行動案」は物流や輸送業の発展も促進するだろう。
■環境保護・回収業
古い設備の淘汰や更新が進むにつれて、大量の廃棄された設備を適切に処理する必要が生じる。それにより、環境保護や回収業に大きな商機がもたらされることになりそうだ。
■金融・保険業
大規模な設備更新は大量の資金の流動をもたらし、リスク管理といった面にも益を及ぼす可能性がある。そのため、金融業や保険業も受益者となり、消費者や企業に融資や保険といったサポートやサービスを提供するようになるだろう。
発表された「行動案」を見ると、今回の設備更新は、消費エネルギー削減と効率向上を方向性として展開し、「ハイエンド化、スマート化、グリーン化、デジタル化」をポイントとし、さらに優れた形で新たな質の生産力を生み出すことにつながることが分かる。新たな質の生産力は、大規模な発展と新型生産設備の応用促進という重要な結果を生み出すというのが醍醐味で、総要素生産性(TFP)が高まり、設備更新は最先端設備のさらなる推進と応用にもつながる。中信証券の研究報告は、「設備更新と下取りは、内需拡大の重要な糸口となり、新たな質の生産力推進と互いに補完し合うことができる」との見方を示している。
専門家は、「新たな大規模な設備更新と消費財の下取り実施は、投資の供給構造最適化に対するカギとなる役割をさらに強固にし、それが発揮されることにつながる。経済構造の最適化と産業のモデル転換・高度化を継続的に促進することで、新たな質の生産力の形成と発展が加速されることになる」との見方を示している。(提供/人民網日本語版)
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