中国・国家体育総局の高志丹（ガオ・ジーダン）局長の発言に注目が集まっている。

中国国営の中央テレビ（CCTV）によると、高氏はこのほど閉幕した両会（全国人民代表大会と中国人民政治協商会議）で、「多くの弱点と不足を早急に解決しなければならないことを、われわれははっきりと認識している。スポーツにおける各分野の発展の不均衡、不調和などの古い問題はなおも改善が待たれている状態だ」と述べた。

そして、「サッカーでは系統的かつ崩落式の腐敗が発生し、3大球技（サッカー、バスケットボール、バレーボール）の成績は下がり続けている。これらは党中央の要求および人民の期待と明らかに差がある」と指摘し、「清らかで良好な環境を整え、スポーツ分野の腐敗を断固として撲滅し、“偽賭黒（八百長や闇賭博など）”に打撃を与え、持続的に浄化し、スポーツ強国建設のための強固な基礎を打ち立てなければならない」と表明した。

中国では昨年から今年にかけて、サッカー元中国代表監督の李鉄（リー・ティエ）氏や国家体育総局の杜兆才（ドゥー・ジャオツァイ）元副局長らを含む関係者が相次いで腐敗により摘発されている。

CCTVの微博（ウェイボー）アカウントには「断固支持する！」「厳しく調査してくれ」といった声が寄せられているが、その他のアカウントには「あなた（局長）は調査を受ける勇気がありますか？」「今大きな声を上げているが、今後どうなるか分かったもんじゃない」「局長に責任ないの？」「覚えておこう。いつか彼（局長）が（刑務所に）入っても驚かないように」「意味のない言葉はほどほどに、実務をしっかりやれ」などの声が相次いだ。

ほかにも、「（成績低下は）3大球技だけじゃないけどな」「腐り切ってるから無理」「金満スポーツは素晴らしいじゃないか。あなたが始めたんじゃないのか？」「（中国のスポーツ界を）仕切っているの人のほとんどが専門外だから良くなるはずがない」「中国スポーツにもう好成績を要求すべきでない。五輪の金メダルで何かを証明する必要はない。全国民の健康を向上させ、運動場などの施設を開放し、より多くの庶民にスポーツに触れさせることこそ正しい道だ」といった意見が出ている。（翻訳・編集/北田）