Record China 2024年2月24日(土) 14時40分
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経済の停滞に伴い、中国で増えているのが「寝そべり族」。海外メディアは会社などで働くより自分の幸福や興味を充実させることを優先させる若者を取り上げた。写真は南京。
中国では経済の停滞に伴い、若者は就職や労働を通じた将来の見通しが不透明になっている。こうした中、中国で増えているのが「寝そべり族」。ロイター通信は、会社などで働くという「終わりなきプレッシャー」よりも自分の幸福や興味を充実させることを優先させる若者を取り上げた。
ロイター通信が紹介したのは、チュー・イさん(23)。「寝そべり族」は自分が楽しめる時間を過ごすのに必要なだけの稼ぎを得るため、最低限しか働かない人々のことでもある。
チューさんはかつてアパレル関係の会社に勤めていたが、2年前に退職した。頻繁に残業しなければならない上、上司が嫌いだったからだ。今は在宅で旅行会社の仕事を週1日こなすだけ。そのおかげで、フルタイムのタトゥーアーティストになるための半年の見習いに入り、たっぷり練習できる時間を確保している。
「寝そべり族」はチューさんだけではない。どれだけの若者が従来のような会社勤めを放棄したのか、統計はないものの、マクロ経済がなお新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の成長軌道に戻れず、大学新卒者は収入を得るために就職口で妥協を強いられた。昨年6月時点でも若者の失業率は21.3%と過去最悪に達していた。
「私にとって、働くことに大きな意味はない」とチューさんは言う。「大部分は上司のために仕事をやり遂げ、上司が喜ぶだけのように思える。だから(必死に)働かないと決めた」。 中国でチューさんのように1995年から2010年に生まれた約2億8000万人の「Z世代」はあらゆる年齢層で最も悲観的だ。
この半世紀近くの成長率が最低圏に落ち込んだ今、習近平体制にとってはZ世代の不安をいかに和らげるかが重要な政策課題になっている。1月には人力資源・社会保障部が今年は特に若者の雇用を増やす取り組みの強化が必要だと訴えた。
米ミシガン大学で社会学助教を務めるチョウ・ユン氏は「一部の若者は会社で出世するための激しい競争から進んで身を引いたように思えるが、彼らの将来に対する悲観主義を見過ごすことはできない」と強調する。
チョウ氏は中国では経済が減速し、労働市場は逼迫(ひっぱく)したままだと指摘。「社会格差が固定化され、政治的な統制強化が進み、経済の先行き期待が持てない今の中国は若者らにとって非常に生きづらくなっている」との見方を示した。
チューさんは以前よりずっと幸せを感じており、自らの選択には「価値がある」と信じている。チューさんは「私の今の給料は多いとは言えないが、毎日の生活費を賄える。自由な時間は数千元のお金よりもはるかに貴い」と話した。(編集/日向)
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