仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル（RFI）の中国語版サイトは21日、「中国製品が米国や欧州に押し寄せつつある」と指摘する仏紙ル・モンドの経済評論家フィリップ・エスカンデ（Philippe Escande）氏の文章について伝えた。

記事によると、文章は「気候リスクや水位上昇のリスクを前に各国は各地で堤防を築いている」と述べ、潮（うしお）のように海外に向かいつつある中国製品にも備えるべきだとの見解を示した。中国の電気自動車（EV）が欧州の港で起こしたのは「さざ波」にすぎず、中国経済の低迷に伴って特にエネルギー転換技術分野の工業製品が急速に輸出に転じているとも論じた。

文章によると、中国の大手自動車メーカーに大量の部品を供給しているFORVIAは19日、欧州での競争力引き上げに向けた世界範囲の人員削減計画を発表。文章は、「FORVIAは自身の中国における競争相手が海外拡張の準備を進めているのも目にした」と指摘した。

また、中国製造業が投資を加速して過剰な生産能力がますます規模を拡大していることから、欧米の懸念は高まっていると言及。「中国のソーラーパネルの生産量はすでに国際エネルギー機関（IEA）が見積もる世界市場規模を上回っている」などと述べ、中国の国内消費が上向いていないためこうした余剰生産物は極めて安い価格で海外に輸出されるとの見通しを示した。

さらに米国、ベルギー、ドイツ、フランスの当局は各地で警鐘を鳴らしているとし、「われわれは今、貿易戦争の荒波が立つ水域に入りつつある」と指摘した。（翻訳・編集/野谷）