中国、再生エネ急成長も石炭火力発電の拡大が気候変動目標に水差す―海外メディア

Record China    2023年12月2日(土) 6時0分

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中国では太陽光発電などの再生可能エネルギー部門が急成長している。その一方で石炭火力発電能力の拡大やエネルギー消費の急増が気候変動目標への取り組みに水を差している。

中国では太陽光発電などの再生可能エネルギー部門が急成長している。その一方で海外メディアは「石炭火力発電能力の拡大やエネルギー消費の急増が気候変動目標への取り組みに水を差しているとの報告書が発表された」と報じた。

中国のエネルギー当局によると、10月の太陽光発電の総設備容量は前年比47%増の536ギガワット(GW)、風力発電容量は同15.6%増の404GWだった。

ロイター通信によると、エネルギー・クリーン・エア研究センター(CREA)とハインリッヒ・ベル財団(HBF)は中国の気候変動対策に関する年次報告書で、再生可能エネルギーが今年の拡大ペースを維持すれば、今後数年間で中国の温室効果ガス排出量はピークに達して減少し始める可能性がある、との見解を示した。

同時に増加するエネルギー消費に対応するために、エネルギー効率や成長モデル転換への取り組みを強化する必要があると強調。中国の取り組みは「気候変動との世界的な戦いでおそらく唯一最重要の要因」とした。

今年の中国の二酸化炭素(CO2)排出量は、水力発電の出力低下やコロナ禍後の経済回復の影響で世界最多となる見通し。不動産市況低迷はセメントや鉄鋼の生産抑制を通じてCO2排出量を低減させるが、クリーンエネルギーや電気自動車(EV)生産の急拡大によるエネルギー・材料需要で相殺される、とも指摘した。

中国当局は2022年以降、石炭火力発電所の新設を承認しており、総発電容量は30年までに23%増加する見込み。報告書は「発電容量を拡大させながら排出量を減少させることは十分に可能だが、石炭火力発電所の新設は経済的にも政治的にも排出量ピークアウトに一段と課題となる」としている。

石炭火力発電をめぐり、ロイター通信は別の記事で米シンクタンクのグローバル・エネルギー・モニター(GEM)の報告を紹介。「中国以外で今年第1~3四半期に着工した新規の石炭火力発電設備容量は2GW未満で15~22年の年間平均16GW大きく下回っている」と伝えた。

今年着工された石炭火力発電容量の95%以上は中国だが、インド、インドネシア、カザフスタンなど他の国で少なくとも15.3GWの新規容量が提案されているとGEMは警告している。GEM のデータによると、中国は現在136.2GW、インドは31.6GW、インドネシアは14.5GWの石炭火力発電容量を建設中という。

11月30日には第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦(UAE)で開幕した。GEM は世界各国で検討されている110GWの石炭火力発電プロジェクトを見直す「きっかけになる」と期待している。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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