香港ニュースポータルの香港01は27日、韓国・朝鮮日報の報道を引用する形で、「中国がレガシー半導体に『攻撃的投資』、31工場建設し世界の生産独占へ」とする記事を掲載した。

記事はまず、「米国は2018年から中国の半導体産業に対する封鎖を実施し、半導体製造設備や技術の中国への輸出を制限している」とした上で、朝鮮日報によると、中国が20ナノメートル（ナノは10億分の1）以上のレガシー半導体に「攻撃的投資」を展開していることについて、韓国の業界では、将来的に世界のレガシー半導体の50％以上が中国で生産され、中国が市場をさらに独占することになるとの見方が出ていると伝えた。

記事によると、中国の半導体受託製造（ファウンドリー）最大手、中芯国際集成電路製造（SMIC）で副総裁を務めた李威（リー・ウェイ）氏は9日、中国山東省の青島で開かれたアジア太平洋経済協力会議（APEC）中小企業交流会で、「中国は20ナノ以上の半導体国産化をまず推進しなければならない」と語った。

李氏によると、米国の輸出規制で先端プロセス開発が挫折したため、相対的に技術障壁の低い成熟プロセス半導体市場で競争力を備えた上で、先端プロセス市場まで影響力を拡大するということだ。

これをめぐって、韓国の半導体業界では「中国がレガシー半導体生産を武器としてグローバルな半導体サプライチェーンの喉首を押さえることになる」という懸念が出ている。レガシー半導体は自律走行車をはじめとする自動車や家電、スマートフォンだけでなく軍事武器にも幅広く活用されるため、この市場を独占すれば安保危機まで引き起こされかねないという。

記事は「中国は政府の全面的な支援を背景に急速にレガシー半導体市場シェアを高めている。中国政府はレガシー半導体工場を新設する自国企業に最大10年まで法人税を免除される恩恵を与えている。国際半導体製造装置材料協会（SEMI）によると、中国は24年までに計31の半導体工場を建設する予定で、台湾の19、米国の12の工場新設計画を大きく上回る」とした。

記事によると、この傾向が続けば、2～3年以内に全世界のレガシー半導体の50％が中国で生産されることになる。市場調査会社IBSによると、22年に15％だった中国の28ナノチップ市場シェアは25年に40％まで上がる見通しだ。ベイン・アンド・カンパニーのアナリストは「中国は他の製造業分野で見られるように膨大な資金と人材を前面に出して、グローバルなサプライチェーンを食い尽くして生産を独占する」と指摘する。

記事は「中国の旧型チップ市場の拡大は、韓国企業にも少なくない影響を与える見通しだ。米国と欧州連合（EU）も追加制裁案を検討しているが、議論だけが続いている」と伝えている。（翻訳・編集/柳川）