Record China 2023年10月20日(金) 10時0分
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中国紙・環球時報(電子版)は19日、米AP通信(電子版)にこのほど掲載された「欧州は中国製電気自動車(EV)の氾濫に対抗しようとしている。でも欧州人はそれが大好き」とする記事を取り上げた。
記事はまず、フランス製のガソリンエンジンのスポーツ用多目的車(SUV)をEVに置き換えるためボルボと日産のモデルを検討したというライマ・シュプリンゲ・ヤンセンさんについて伝えた。
デンマークのコペンハーゲン在住のヤンセンさんにとって、ボルボは予算オーバー、日産には「すごい要素」が欠けていて、最終的に中国EV大手、比亜迪(BYD)のコンパクトSUVを購入した。約5万米ドル(約750万円)相当のBYD ATTO 3には、360度ドライブレコーダーや2年間の無料充電など「すべての特典」が付いていた。ヤンセンさんの夫もこの車をとても気に入り、フォルクスワーゲン(VW)グループのシュコダ車からBYD車への乗り換えを検討中だという。
記事によると、ヤンセンさんの熱意は、中国の自動車メーカーが欧州のEV市場に大々的に進出し、欧州大陸のグリーンエネルギー移行の鍵となるこの業界で老舗ブランドに挑戦し、いかにドライバーの心をつかんでいるかを浮き彫りにしている。
欧州連合(EU)は、こうした競争上の脅威を受けて、中国からEUに輸入されるEVに対する反補助金調査を開始した。しかし、気候変動を意識し、生活費の上昇に悩まされている欧州の自動車購入者らは、地政学など気にせず、手頃な価格でありながら、機能やデザイン性に優れた中国製EVを絶賛しているという。
中国のEVメーカーはこのひしめき合う分野で頭角を現そうとしている。長城汽車のEVサブブランド「ORA」は女性をターゲットにしており、車格は女性の体格や日常のニーズに合わせて設計されている。昔懐かしい丸型ヘッドライト、ボンネット上の感嘆符のエンブレム、3万2000英ポンド(約580万円)という価格は、英国の脚本家ジャスティン・ニコルズ氏の目に留まり、妻のために購入した。英国の道路でよく見かけるVW、プジョー、BMWなどの欧州車よりも「はるかに風変わり」な点が魅力的だという。
中国ではなく欧州とイスラエルの市場に専心している愛馳汽車(アイウェイズ)の海外事業担当副社長、アレクサンダー・クローゼ氏は、EUについて「競争から締め出すのではなく、環境に優しい未来の実現に取り組むべきだ」と語る。独立系自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は、「中国の自動車メーカーは西側企業にとって副料理長のような存在だったが、今では副料理長らが自分のレストランをオープンし、場合によっては料理長の店よりも優れた店をオープンしている」と述べた。(翻訳・編集/柳川)
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