2023年10月11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米海軍の水兵が中国への軍事機密提供を認めたと報じた。

記事は、米連邦検察当局が10日、中国に軍事機密を提供した罪で起訴されたカリフォルニア州駐在の26歳米海軍水兵、ウェンホン・ジャオ被告が同日、ロサンゼルスで中国情報当局関係者に機密情報を提供した見返りに賄賂を受け取ったことを認めたとは発表したことを伝えた。

そして、米司法省などの情報として、ロサンゼルス北部のベンチュラ郡海軍基地に所属していた同被告が米海軍の作戦、活動、施設に関する情報、写真、ビデオを中国情報当局者に提供し、その対価として約1万5000ドル（約220万円）を受け取ったこと、流出した情報にはインド太平洋地域に関する米軍の大規模な軍事演習の計画が含まれており、海軍部隊の配置場所や活動時期が詳細に記されていたこと、情報を受け取った中国情報当局関係者が同被告に対し「投資判断の指針となる海洋経済調査に使用される」と伝えていたことを紹介した。

また、同被告が8月3日以降拘留されており、当初は無罪を主張していたと伝えたほか、連邦刑務所で最長20年服役する可能性があるとした。

記事はさらに、カリフォルニア州サンディエゴの空母エセックスに乗艦していた別の海軍水兵、22歳のジンチャオ・ウェイ被告も同様の罪で同日起訴されたと紹介。ウェイ被告はエセックスなどに搭載されている兵器システムや航空機に関する詳細な情報を中国側に提供した罪に問われているとする一方、2人が同じ中国情報当局関係者から賄賂を受け取ったかどうかについては米捜査当局が明らかにしていないと伝えた。

このほか、新型コロナ時に中国安全保障機関に防衛機密情報を提供しようとしたとして、今月6日に29歳の元米陸軍情報将校が香港からサンフランシスコ国際空港に到着したところを逮捕されたと紹介している。（翻訳・編集/川尻）