ソニー劇場、演目は「生き残り求め株市場から撤退」―中国紙

Record China    2014年8月7日(木) 6時0分

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4日、赤字の泥沼に沈んでいるソニーは、思い切った方法をあれこれと模索している。業務の一部を切り離したり、世界規模でリストラを敢行したり、東京のビルを売り払ったりしているが、今回は株式市場から撤退するという戦略に打って出た。写真はロンドン。

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2014年8月4日、長らく赤字の泥沼に沈んでいるソニーは、自分を助けるための思い切った方法をあれこれと模索している。業務の一部を切り離したり、世界規模でリストラを敢行したり、東京のビルを売り払ったりしているが、今回は株式市場から撤退するという戦略に打って出た。取引量が少ないこと、コスト削減を理由として、44年間上場した英国・ロンドン証券取引所からの撤退をこのほど決定したのだ。実際のところ、これで節約できるのは毎年わずか9万8000ドルの手数料に過ぎない。北京商報が伝えた。

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▼株式市場での業績は惨憺たるもの

ソニーのスポークスマンによると、「取引量が少ないため、ロンドン証券取引所に上場し続けることに、経済的な合理性はなくなった。そこで8月29日前後に正式に撤退する予定」という。

ソニーは1970年にロンドン証券取引所に上場し、今年で44年目を迎える。目下、同取引所での年間取引量は東京証券取引所での取引の1%に過ぎないが、上場し続けるには年間1000万円(約9万8000ドル)前後の手数料が要る。こうした状況の下で、ソニーはロンドン資本市場からの撤退を選択し、コスト削減と資金の節約をはかることにした。

ソニーによると、同市場からの撤退後も、東京と米国・ニューヨーク証券取引所での取引は続ける。だがソニーの株価は低下を続けており、時価総額は2000年の1250億ドルを最高として、現在は180億ドル前後まで低下している。

市場撤退モデルが動き出すのと同時に、ソニーは6月30日を末日とする2014年度第1四半期(4-6月)の財務報告を発表した。純利益と営業収入はいずれも前年同期比増加したが、通年の赤字局面を転換できてはいない。ソニーの予測によれば、14年度(14年4月-15年3月)の純損失は5000億円前後になるという。

▼自己救済の歩みが遅すぎる

平井一夫氏はソニーの最高経営者(CEO)に就任して以来、大なたを振るってソニー救済のための改革を進めてきた。今年2月にはパーソナルコンピューター(PC)事業を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却した。テレビ事業の分社と世界規模での5000人のリストラは、年内に完了する計画だ。

ソニーは東京にある旧本社ビルと周辺の施設を売却し、これによって同期には一時的な収益として150億円の営業利益を獲得した。

業界ウォッチャーは、「平井一夫氏が率いるソニーは勢いの回復を目指しているが、転換の歩みが遅すぎる。ソニーに残された時間は多くない。ソニーというかつては世界トップで、故スティーブ・ジョブズ氏が『神扱い』した消費電子産業大手は、製品ラインは幅広いが、ほとんどの製品が危機に直面している。ソニーが命運をかけるスマートフォン(多機能携帯電話)事業は、アップルサムスンという二大巨頭が独占するハイエンド市場に立ち向かうことは難しく、ミドルエンド・ローエンド市場でも華為や聯想といった中国メーカーからの打撃に直面している」と話す。

まもなく訪れる第3四半期(7-9月)の携帯電話新製品ラッシュの時期を控えて、ソニーはスマートフォンの販売台数を当初予想の5000万台から4300万台に下方修正し、通年のスマートフォンの売上は最も好調だった場合でも収支がとんとんになるだけとの見方を示した。ソニーは劣勢を挽回しようとしているが、道のりはまだまだ遠いといえる。

▼困った者同士でチーム結成

実際のところ、ここ数年の家電製品の産業革命の波の中、ソニーは不調に陥ったただ一つの大企業ではない。それどころか、これまでにフィルム大手のコダック、ソニーと同じく日系のシャープやパナソニック、多機能携帯電話の大手のノキア、モトローラ、ブラックベリーなどが、時の流れの中で衰退していった。そして今、市場再編の舞台が相変わらず上演されている。

苦境に陥った者たちは、一人で戦うことの危険を身に染みて感じるようになった。そこでこのほど、ソニー、パナソニック、産業革新機構、ジャパンディスプレイの4社は、共同で新会社「JOLED」を設立することで一致。ソニーやパナソニックの有機ELパネルに対応した研究開発を進めるという。

有機ELは業界が次世代ディスプレー技術と認めるものだ。中国や韓国の企業は強い興味を抱き、次々に手を打っており、ソニーとパナソニックは一時的に市場から撤退していた。今回、合弁会社を設立してこの分野に参入したことから、さまざまな憶測が飛び交っている。意外なのは、JOLEDが来年1月に設立されるということだ。

中国家電商業協会営業販売委員会の洪仕[文武](ホン・シービン)執行会長は、「ソニーが現在の経営状況の下で有機ELパネル産業への投資を選択したことは、完成機市場で中・韓企業からの圧力を受けたためであると考えられる。コア部品の製造に力を集中すると決定したことで、自身がもつ技術的な強みをよりどころにして劣勢を跳ね返したいのだ」と話す。

だがソニーもパナソニックも新会社における発言権の点で疑問が残る。JOLEDでは、産業革新機構が株式の75%を有し、ジャパンディスプレイが15%を有し、ソニーとパナソニックはそれぞれ5%しか保有しないからだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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