2023年9月28日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の中秋節・国慶節大型連休で国内旅行が活況を呈する一方で、海外旅行は新型コロナ前の水準に回復していないと報じた。

記事は、中国では29日から始まる中秋節と国慶節の8連休を前にすでに多くの人が移動を開始しており、国家鉄路集団の情報として今月27日から10月8日までの12日間で国内の鉄道利用者延べ1億9000万人、1日平均1583万人に達するとの予測を示していると伝えた。

また、連休期間中の国内、国際路線の航空便数はすでに新型コロナ前の2019年の同時期を上回っているという旅行会社の話や、今年の中国の大型連休における国内旅行市場規模が19年より7％多くなる見込みで、旅行市場に中国経済低迷の大きな影響を見られないとする専門家の見解を紹介している。

そして、大型連休期の旅行ブームの背景として新型コロナの抑圧から解放された「リベンジ性旅行」の要素があるとした上で、中国政府系メディアの環球時報が「大型連休のにぎわいは、中国経済に対する自信を強めるという作用をある程度発揮するだろう。そして、中国経済が衰えるという論調の大多数は、ロジックや事実の面で成り立たなくなり、自滅していくことになるだろう」と評したことを伝えた。

記事はその一方で、海外旅行に関してはなおも新型コロナ前の状態まで回復していないと指摘。中国最大のオンライン旅行予約プラットフォーム携程の社長が「現在のアウトバウンド市場は新型コロナ前の60％の水準にとどまっている」と述べ、ツアー旅行の平均価格がコロナ前に比べて30％ほど高いことや、一部航空会社の運航状況がコロナ前の水準にまで回復していないことを原因に挙げたことを紹介している。（翻訳・編集/川尻）