中国はいかにして電気自動車の巨頭になったのか―仏メディア

Record China    2023年9月21日(木) 7時0分

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仏国際放送局RFI中国語版は20日、「中国はいかにして電気自動車(EV)の巨頭になったのか」とする仏紙ル・モンドの記事を紹介した。写真は第26回成都国際モーターショー。

仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は20日、「中国はいかにして電気自動車(EV)の巨頭になったのか」とする仏紙ル・モンドの記事を紹介した。

同記事はまず、2021年に中国の自動車輸入額は輸出額の2倍だったとのデータを紹介。そして23年上半期には自動車輸出台数で日本を抜いてトップとなり、輸出額は350億ドルに達したと伝えた。

その上で、「中国政府はニンジン(をぶらさげること)と棒(でたたくこと)を交互に用いてEVを推進してきた」と指摘。「当初は自動車1台に6万元、バス1台に10万元の補助金を支給することで普及を奨励。中国EV業界のトップであるBYDはこの戦略の勝ち組となった」とした。

また、「15年には中国製電池を搭載しなければ補助金が受けられないようにすることで中国の電池業界を支援し、パナソニックを抜いて世界一となった寧徳時代新能源科技(CATL)のようなリーディングカンパニーの登場を後押しした」と説明。このほかにも、ナンバープレート発行に際してEVに優位性を持たせたことで普及を後押ししたことにも触れた。

一方で、「中国はニンジン以外に棒を使った強制措置にも長けている」とし、「19年には各自動車メーカーに対するEV生産枠の割り当てを実施。これを超えて生産したメーカーにはインセンティブが与えられ、達しなかった場合は罰金が科される。これは政府の補助金コストをメーカーに転嫁する方法だ」と述べた。

さらに、「補助金支給などに加えて地方銀行の低金利融資などの優遇があり、その財務コストを測るのが難しい」と指摘し、独シンクタンク・メルカトル中国研究所の研究員の言葉として「中国の補助金はその経済・政治制度の性質上、官民の分離があまり顕著ではない。ある大型国有企業が、政府が優先する産業や企業に投資する場合、これは補助金と言えるだろうか」と伝えた。

記事は、「中国のさまざまな支援や援助を明確に区別することは容易ではない。しかし、いずれにせよEV業界に大規模な投資を行ったのは中国が初めてだった。理由は1990年代末に中国の石油輸入への依存度が急増したことだ」とし、JSCオートモーティブのJochen Siebert氏が「中国が早くからEVに投資していたのは他国よりも環境を尊重しているからではなく、石油の輸入を減らすためだった」と分析したことを伝えた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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