日本の処理水放出、中国ではどんな混乱が起きているか―中国メディア

Record China    2023年9月12日(火) 14時0分

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10日、騰訊網は、日本の原発汚染処理水海洋放出について、中国の関連業界の多くの人が影響を受けているとする記事を掲載した。写真は北京市最大の海鮮市場・京深海鮮市場。

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2023年9月10日、中国メディアの騰訊網は、日本の福島第一原発の汚染処理水海洋放出について、中国の日本食レストラン、サプライヤー、漁師など関連業界の多くの人が影響を受けているとする記事を掲載した。

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記事は、湖北省綏州市でオープンからわずか3カ月のフランチャイズ経営日本料理店の1日の売上が、海洋放出が始まった翌日の8月25日には2万元(約40万円)近くから5000元(約10万円)に激減し、その後も収入は減り続けていると紹介。店主の女性は海洋放出開始までは食材の出所にあまり関心がなく、ただ会社の規定に従って食材を受け取っていたものの、8月24日の海洋放出開始後にはすぐにこの店の唯一の日本産原材料だったホタテ貝の取り扱いを停止したと伝えた。

その一方で、日本産食材の取り扱いを停止し、店頭に「日本産の食材を使っていない」という張り紙を掲示しようとした時に、店主が「日本産の食材をその日のうちに空輸している」という日本料理店の位置づけとの大きな矛盾を感じたと指摘。この店の材料調達ルートからは「中国の多くの廉価な日本料理店では実は日本産の魚介類を基本的に使っていなかった」という事実が浮かび上がってくるとした。

北京市最大の海鮮市場「京深海鮮市場」

また、この店のフランチャイズ運営本部はかねてより売り上げを拡大するために「脱日本化」をテーマとしており、処理水の海洋放出開始がその流れを加速させたと紹介。この店も本部より日本料理店から多国籍料理店への鞍替えをオプションとして提示されており、このオプションを受け入れるかどうかで店主が葛藤を続けていると伝えた。

さらに、北京南部にある有名な海鮮市場にも変化が起きていると指摘。すでに日本の食材が手に入らない状況の中で、海産物の輸入業者は海産物の取り扱い量を減らし、冷蔵庫の中の半分以上を焼き鳥が占めるようになったとし、海産物の販売業者は水槽の前に発泡スチロールの板を立て、大連産のカキ、遼寧省産のナマコ、山東省産のハモガニと国内産であることをアピールしていると伝え、これらの動きからは中国国内の飲食業においてすでに「国産品への置き換え」が進んでいることがうかがえると説明している。

北京市最大の海鮮市場「京深海鮮市場」

このほか、処理水の海洋放出によって日本の海産物だけではなく、中国で捕れる海産物の売れ行きも悪くなっていると紹介。山東省威海市で20年間従事している漁師は、これまでわずか1時間で全て売れていた漁獲品が、海洋放出開始後は倍の時間かけてようやく売り切れる状況になったと語り、買い付けにやってくるバイヤーも非常に用心深くなり、海産物の色が変わっていないか、生えてはいけないものが生えていないかを厳しくチェックし、なじみの漁師が提供する魚介類でさえ厳しい検査を免れなくなったと明かしたことを伝えた。

記事は、中国が日本以外で最も日本料理店が多い国となっており、中国本土に8万軒近い日本料理店があると紹介。その多くは処理水の海洋放出によって前述のフランチャイズ日本料理店のような状況変化に直面しているとした。また、海洋放出開始から8カ月経過すると処理水が台湾の東海域にまで到達し、その後さらに東シナ海や渤海へと広がっていくと指摘。「その後、業界にどのような変化が生じるのかは、誰にも分からない」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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