中国人観光客の訪日意欲が低下、中国メディアは「日本が懸念」「欧米人にも影響」などと主張

Record China    2023年8月29日(火) 14時0分

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中国紙・環球時報は29日、「中国人観光客の訪日意欲が低下し、日本の業界に懸念が広がっている」と報じた。写真は上海虹橋国際空港。

中国紙・環球時報は29日、「中国人観光客の訪日意欲が低下し、日本の業界に懸念が広がっている」と報じた。

記事は、「わずか2週間余りの間に日本の観光業関係者の心情はまるでジェットコースターのようだった」と表現。「今月10日に中国が日本への団体旅行を解禁し、中国国内で日本ツアーの検索件数が1位になったが、24日に東京電力福島第一原発の処理水海洋放出が始まると中国国内で日本旅行への意欲が大きく減退。キャンセルする客も出てきたため、多くの旅行会社が国慶節連休のPR計画の見直しを迫られている」と伝えた。

その上で、中国の旅行会社に日本ツアーについて問い合わせたところ、「国慶節連休の5泊6日のツアー価格は9000~1万元(18万~20万円)で催行人数は16~30人だが、日本の汚染水(処理水)海洋放出の影響で最低人数に達するか分からず、今のところ個人旅行を選んだ方が無難だ」との回答があったことを紹介。某大手旅行会社の担当者は「日本の汚染水(処理水)放出でキャンセルされたお客様には別の目的地を案内したり、全額返金したりする対応をとっている」と明かしたという。

一方、今回の件は「日本の観光業にも冷や水を浴びせた」と記事は指摘。「2019年には全体の30%を占め、1人当たりの消費額も高い中国人観光客の増加は朗報だった。団体旅行再開に観光業界や百貨店業界が歓喜に沸いた」としつつ、「日本の汚染水(処理水)の海洋放出に資本市場も反応を示し、百貨店やドラッグストア、化粧品会社の株価が下落した」と説明した。

中国観光研究院国際研究所の楊勁松(ヤン・ジンソン)所長は「中国国民は日本の汚染水(処理水)の海洋放出による害をますますはっきりと認識するようになっている」とし、「キャンセルする客もいるが、事情によりキャンセルできない客は“最後の日本行き”と考えている。日本政府が汚染水(処理水)の放出停止など大きな変化を起こさなければ、失われつつある外国人観光客、特に中国人観光客を取り戻すことはできないだろう。そして長期的には、中国市場の支えがなければ日本の観光業が厳しい状況に直面することは間違いない」と主張した。

記事はこのほか、「日本の汚染水(処理水)海洋放出は日本を訪れる欧米人観光客にも影響を与えている。一部の観光業者はグルメ、特に日本の魚介類を大々的に紹介してきたが、今ではそうした紹介を後ろに置くようになった」「日本の宿泊業にも影響が出ており、福島第一原発から60キロの距離にある民泊ではキャンセルが出始めている。経営者からは政府に対する不満や懸念の声も出ている」などとも伝えている。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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