Record China 2023年7月31日(月) 22時0分
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日本の大学生が崖から身を投げようとした理由に、中国のネットユーザーから大きな反響が寄せられている。
福井新聞が7月26日付で掲載したNPO法人「心に響く文集・編集局」(茂幸雄代表)によるコラムによると、福井県坂井市にある観光名所・東尋坊で人工知能(AI)によって人生が狂わされたため自殺を図ろうとしたケースが2件あったという。
同コラムによると、今年6月に東尋坊の岩場で座り込んでいた10代の芸術学科の女子学生に声をかけたところ急に泣き出したため話を聞くと、女子学生は過去にイラストで賞を取ったことがあるものの大学の授業に導入されたAIが、テーマを入力しただけで簡単に素晴らしい絵が描けてしまうというあまりのすごさと恐ろしさに絶望したとし、「奨学金で大きな借金があり、AIがあるために好きな絵も描けない」と自殺を考えたことを明かした。
また、同じく6月に20代のうつ病などを患う女性から相談所に電話があり、話を聞いたところ、女性は某芸術大学を卒業したものの授業で導入されていたAIが漫画、アニメ、ゲームなどすべてを制作してしまう様子に自分の能力を発揮する場所がないと感じたといい、ギャンブル、消費者金融に手を出して借金をつくったこともあった。女性は「AIが導入されていたことから能無しになり、私の夢までが壊されてしまった…」と語ったという。
同コラムはこの二つの出来事を「AIの導入によって将来の夢と希望が滅多打ちにされてしまった事例」と紹介している。
中国のSNS・微博(ウェイボー)の著名ブロガーがこのコラムを紹介すると数千に上るコメントが寄せられ、「日本の学生がAIに取って代わられるのを恐れて自殺(を考える)」は一時トレンドトップ5に入るほど注目を集めた。
中国のネットユーザーからは「本当にショッキング。芸術家たちにとっては苦しい時代だと思う」「彼女たちに自分の影を見た。私はデジタルメディアアート専攻だけど、本当に絶望している」と共感する声がある一方、「悲しい。でも芸術面では人間の生き生きとした考え方や創作はAIにはまねできないと思う」「私はゲーム関連の仕事をしている。確かにAIに取って代わられている部分もあるが、創作やデザインではまだ人間の手が必要。ただ、要求が高くない場合は機械だけに任せることもある。どの分野も同じではないだろうか」との声も。
また、「芸術ってAIには一番取って代わられない分野だと思う。AIがどんなにきれいな絵を描いても人間が出す情感のようなものはない。情感のないものは芸術と呼べない」「正直、芸術って一番心配ない分野じゃないかな。今のAIにできるのはせいぜい画像を合成することぐらい。芸術的創作とは関係ないような気がする」とのコメントも寄せられた。
このほか、「貧困学生にとっては本当に恐怖だろう。彼女たちくらいではまだ新しい技術をどのように活用すればいいかもよく分からないだろうから」「AIが優秀というのではなく、人間がやるのと比べてコスパが高いというだけ」「翻訳ソフトはどんどん進化しているから翻訳家はたいへんだろうな」「AIが大きく発展したら金持ちの天下になる」などのコメントも書き込まれている。(翻訳・編集/北田)
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