中国紙・環球時報（電子版）は29日、韓国で政党による横断幕合戦が繰り広げられているとする記事を掲載した。

記事によると、韓国では、地下鉄駅、バス停、交差点など人流が多い場所にはほぼすべての政党の宣伝横断幕が掲げられている。こうした光景は、以前は選挙の時だけだったが、今ではいつでも目にすることができる。昨年12月の法改正と施行で、政党は無届けで宣伝横断幕を掲げられるようになったことによるもので、しかも数や場所の制限もない。しかしこれにより、政党間の横断幕合戦とそれに伴う多くの問題が引き起こされている。

記事が韓国メディアの報道として伝えたところによると、韓国環境部が今年1～3月に各地方自治体の横断幕回収データを集計したところ、横断幕の総重量は、22年大統領選挙時の1100トンを上回る1300トンに上った。横断幕の平均重量は600グラムで、1300トンは200万枚余りに相当する。

韓国の国会立法調査処によると、新法施行からの3カ月間に寄せられた政党の宣伝横断幕に関連する苦情は3倍以上に増えた。

政党の宣伝横断幕は「ビジュアルノイズ」や「情報汚染」を引き起こすだけでなく、国民の個人の安全を脅かすことさえある。建築家のキム氏は、路上に掲げられた横断幕が都市の景観に深刻なダメージを与えていると語った。歩行者が横断幕につまずいたり、ロープを使って横断幕を取り付けていた街路灯が倒れて車に損害を与えたりするなどの事故も多発している。

韓国行政安全部は4月、各政党が（行政区画の）邑、面、洞に掲げる横断幕は1枚のみとするよう提案したが、この提案には法的拘束力はない。

こうした問題を受け、多くの自治体が是正に乗り出している。仁川市は今月、政党の宣伝横断幕は指定された場所にのみ掲示できるとする屋外広告物法改正案を発表した。（翻訳・編集/柳川）