中国で海外企業の品質問題が続発しているのはなぜか―中国メディア

Record China    2014年7月25日(金) 15時9分

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23日、米食品卸売会社OSIグループの中国法人である上海福喜食品の工場で期限切れ肉が使用されたというスキャンダルによる影響は、その提携先にまで波及している。写真は上海の南京路。

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2014年7月23日、米食品卸売会社OSIグループの中国法人である上海福喜食品の工場で期限切れ肉が使用されたというスキャンダルによる影響は、その提携先にまで波及している。米国東部時間7月21日、ヤム・ブランズとマクドナルドの株価が下落した。新華網が伝えた。

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ヤム・ブランズの株価(終値)は4.25%安となり、企業の時価総額が15億ドル弱減少した。中国A株上場企業である、上海福喜食品の提携先の聖農発展公司の株価も、21日に6%安を記録した。

これまでのさまざまな事例から、食品安全チェーンのどれほど小さな問題であっても、提携先・消費者に大きな影響を及ぼすことが分かる。

記者が22日昼、上海市のマクドナルド、ケンタッキーピザハットを取材したところ、客足が大幅に減少している店はなく、関連商品の供給は停止されていた。しかし消息筋は、「ピザハットは上海福喜食品の供給をストップしたことで大きな影響を受けており、注文も減少している」と述べた。

OSIグループは21日、「当社は調査チームを発足している。政府部門の調査に全力で協力し、同時に社内調査を進めていく。当社は全責任を負う」と表明した。

マクドナルドの関係者は22日、「本件について現在も調査中だ。企業の損失についてはまだ分析しておらず、賠償についてもOSIグループとの意見が一致していない」と述べた。聖農発展公司もメディアを通じ、「上海福喜から原材料の供給を受けている。今後供給を取り消すかについては、同社の処理の結果によって判断する。当社はOSIグループとの協力が、本件によって影響を受けることはないと考えている」と表明した。

有名「海外ブランド」のスキャンダルが近年相次いでおり、次々と品質問題に陥っているが、これは中国市場のよくある風景と化している。海外ブランドはなぜ中国市場に進出すると、厳格な基準と要求を放棄するのだろうか?

2013年3月、スイスのヒーローグループが販売する「美素粉ミルク」の不正が発覚した。蘇州工場はラベルを貼り替え、包装を変更するなどの手段により、外国産粉ミルクのロットナンバーを偽り販売していた。さらに原産地の不明な輸入粉ミルク、期限切れの粉ミルクを使い不法生産していた。同ブランドはすでに市場から姿を消している。

小売最大手のウォルマートは2011年9月に重慶市で、「有機豚」の偽装事件により処罰を受けた。重慶市工商局によると、ウォルマートの現地の店舗は2006−2011年に渡り、期限切れや不合格の食品の販売、虚偽の宣伝などの行為により21回の処罰を受けていた。杭州市のある店舗は今年5月、商品の生産日を書き換えたことで処罰された。

中国に上陸した海外ブランドは、品質に対して責任感を持っていない。ZARA、ヴェルサーチ、ルイ・ヴィトン、バーバリー、アルマーニ、シャネル、ディオールなどの有名ブランドは、中国のサンプリング調査で品質不合格になったことがある。多くの有名アパレルブランドは、中国で統一的なコールセンターを設立しておらず、アフターサービスの提供や返品・交換の規定も非良心的だ。

上海泛洋弁護士事務所の劉春泉(リウ・チュンチュエン)氏は、「中国の現行法が定める罰金は低すぎて、海外ブランドの度重なる不正行為の主因となっている。EUの場合、独占禁止法に違反した企業は、最高で年間売上の10%の罰金を支払わなければならない。ユニリーバとP&Gは2011年4月、洗濯用洗剤の価格を操作したことで、公正取引当局から3億2000万ユーロ(約437億円)の罰金刑を課された」と指摘した。

これと比べると、一部の海外ブランドは中国で品質問題や詐欺事件を起こした場合も、数十万元(数百万円)の罰金で済み、まったく痛みを感じていない。中国最大級の罰金となったウォルマートの「有機豚」事件も、269万元(約4400万円)の罰金に留まった。

専門家は、「一部の世界大手は中国進出後、自社の信頼を重視していないが、これはビジネス環境全体と関連している。消費者は海外ブランドを盲目的に信頼しており、中国の関連法にも健全化・厳格化の余地が残されている」と分析した。

上海市食品安全弁公室専門家チームのメンバーである沈建華(シェン・ジエンホア)氏は、「海外で同じような事件が発覚した場合、企業は再起の望みを絶たれる。巨額の罰金により資産を失うほか、提携先からも見捨てられる。中国ならば、企業は違反後も新たに企業を登録設立し蘇ることができる。制度面の不備をなくし、企業の違反行為の再発を防ぐ必要がある」と警鐘を鳴らした。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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