2023年6月11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、中国産バイオ燃料に詐欺の疑いがあるとの告発を業界団体から受けた欧州連合（EU）が調査に乗り出したことを報じた。

記事は、欧州委員会の報道官が5日に「市場参加者から、認証を取得済みの中国産バイオ燃料に関する詐欺の可能性についての報告を受け取った」とし、同委員会が報告提出国と協力して調査を実施していることを明らかにする一方、輸入量などの情報については「現在調査中」として明かさなかったことを紹介。消息筋からはドイツが報告を出したとの見方が出ていることを伝えた。

また、同委員会の報道官が「バイオ燃料市場の経済行為への参加者全てに対して調査への全面的な協力、疑わしい状況に関する報告の提出を求める。詐欺の指摘に対してEUは非常に厳粛に対応しており、バイオ燃料市場の信頼を守るためにちゅうちょなく適切な行動を取る」とコメントしたことを紹介している。

バイオ燃料は動物や植物の廃棄物、例えば植物油、農場の副産物、動物の脂肪などから生成され、化石燃料よりも環境に優しいとされている。記事は、欧州廃棄物利用先進バイオ燃料協会（EWABA）が先週、欧州委員会とドイツ政府に対して書簡を送付し「近ごろ中国のバイオディーゼル輸出が激増しているが、詐欺行為が存在している可能性がある。この状況はEUのバイオディーゼル市場全体を抑圧しており、現地工場の閉鎖を招いている。抑止措置を取り、EU域外から来る疑わしい燃料の使用を制限しなければ、EUのバイオ燃料産業は完全に崩壊する」と告発したことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）