スタジオジブリの新作映画「君たちはどう生きるか」の宣伝が一切ないことが中国版ツイッター・微博（ウェイボー）で紹介され、反響を呼んでいる。

東映映画情報の公式ツイッターが2022年12月、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」のポスターを投稿。鳥のようなキャラクターが描かれたシンプルなポスターに、「なんで鳥？」「どういう絵なんだろう？」という疑問の声も寄せられる中、以降も同作についての情報は少なかった。

そして今月2日、文藝春秋はスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏との対談動画を公開。ユーチューブには冒頭30分のみの動画も投稿された。対談中、同誌編集長であり司会進行を務める新谷学氏は同作について「びっくりするぐらい何の情報もないんですけど」と話題を提起。すると鈴木氏は「やめたんですよ」と回答した。続けて、「今まではジブリって会社を運営しなきゃいけなかったじゃないですか。そしたら、作った映画はお客さんに来てほしいって考えていたんですよね。だけどまあ、色々やってきたけど、そろそろいいかな」と説明した。また、「決まりきったことを毎回毎回やるって、やっぱ嫌ですよね。ちょっと違うことをやろうよって。それが結果としては映画館にとってもいいことになるんじゃないかなってどっかで思っている」とマーケティングの方針転換に言及した。

この情報は日本のみならず中国版ツイッターでも注目を集めた。400万人のフォロワーを持ち、日本のアニメ情報を発信するあるブロガーは3日、「鈴木敏夫氏が宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』にまつわる宣伝を行わないことを発表。（映画は）7月14日に公開！」と投稿した。

中国のネットユーザーからは、「きっと監督はこの最新作に自信があるんだよ。宣伝なしでそのまま公開にもっていくんだ」「それでも監督の作品のクオリティーを考えれば信頼できる」「『宮崎駿』。この3文字だけでもはや宣伝になるじゃないか」と宮崎監督に信頼を示す声が寄せられた。

また、「期待！」「応援している」「見たい見たい見たい！」「中国で同時公開してくれないかな」「宮崎先生はやっぱりすごい。作品のタイトルだけで心を打たれた」と期待の声も上がった。

一方で、「来月とは意外に公開日が早かった。監督の年齢を考えると、きっとこれが最後の作品だよ」「本当に最後の作品になっちゃうのかなあ」と、宮崎監督の引退に言及するユーザーも見られた。（翻訳・編集/柳朱音）