2023年6月4日、「すずめの戸締まり」「君の名は。」などで知られる新海誠監督がツイッターで中国アニメ映画「ライオン少年」を鑑賞したことを報告した。

「ライオン少年」は中国で制作されたアニメ映画で、中国では2021年12月17日に、日本では2023年5月26日に公開された。同作は田舎町で出稼ぎをしている貧しい少年チュンが主人公の物語。ある日、自身と同名の少女チュンが獅子舞バトルで屈強な男を倒し、少年チュンは獅子頭を譲り受ける。少年チュンが仲間と共に獅子舞バトルの全国大会を目指し、成長する物語が描かれている。

日本語版の声優は、少年チュンに花江夏樹（「鬼滅の刃」竈門炭治郎役など）、少女チュンに桜田ひより（「東京喰魂トーキョーグール」笛口雛実役など）の他、山口勝平（「名探偵コナン」工藤新一役など）、落合福嗣（「灰と幻想のグリムガル」モグゾー役など）、甲斐田裕子（洋画作品でアン・ハサウェイの吹き替え担当など）、そして山寺宏一（「新世紀エヴァンゲリオン」加持リョウジ役など）が吹き替えを務める。

同作には多くのアニメ関係者や著名人がコメントを寄せている。伊藤智彦氏（「劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-」監督）は、「才能無い！血縁無い！転生しない！それでも見られる夢がある！令和のスポコンここにあり！！」とコメント。奥浩哉氏（「GANTZ」原作者）はツイッターで、「なんか映画行きたかったので時間が合った雄獅少年/ライオン少年見た。結果めっちゃ当たりだった！すんごい面白かった！競技獅子舞の3Dアニメなんだけど、チャウシンチーっぽさもあり王道のスポ根で笑えるし最後は感動した！獅子舞の動きもかっこよかった！超オススメ！」と称賛した。

さらに、新海誠氏もツイッターで「ライオン少年」を鑑賞したことを報告。「『雄獅少年/ライオン少年』中国の3DCGアニメ映画を見てきました。すごい映画でした。美点はいろいろあるけれど、なによりも怒涛のクライマックスへとなだれ込む終盤の素晴らしさ！打ち鳴らされる太鼓にも映像にも劇伴（げきばん＝映画等である場面の背景に流される音楽）にもエンディングの歌詞にも、震えました。こういう正統なビルドゥングスロマン（教養小説）が、今も中国には似合うのですね」と述べた。

新海氏の投稿には、「めっちゃ面白かったです！」「早く見に行きたいです」「見れたら見てみます！」と反応があった。また、日本語のみならず英語や中国語で「新海先生がこの映画を見てくれてとてもうれしい！」「コメントしてくれてありがとう」との声も寄せられた。

そして、新海氏の投稿の影響はツイッターのみならず、中国版ツイッター・微博（ウェイボー）にも波及。あるネットユーザーは中国語翻訳を加えた新海氏の投稿のスクリーンショットを掲載した。この投稿に他のネットユーザーからは、「『ライオン少年』はすごい。個人的に今までで最高の中国アニメ作品」「何度も見に行ったし本当にいい作品。感動したよ」「期待しては失望させられる最近の改編作品と比べると、『ライオン少年』はとんだサプライズだった」「どの年齢層にもいいんだよね。共感できるし面白い。作画も物語も全部すごい」との反応が見られた。（翻訳・編集/柳朱音）

『雄獅少年／ライオン少年』中国の3DCGアニメ映画を観てきました。…

— 新海誠 (@shinkaimakoto) June 4, 2023