5Gの進化やAIの活用による社会の「全面刷新」を強調―ファーウェイ高級幹部

Record China    2023年6月8日(木) 8時0分

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ファーウェイの李鵬氏は4日に行った講演で、5G+AIは中国の産業を大きく変化させていると説明。次の1歩は5.5G時代の到来として、実現のためになすべきことなどを説明した。

華為技術(ファーウェイ)の上級副総裁で通信事業者向けビジネスグループの総裁の李鵬氏は4日、北京市内で開催された第31回中国国際情報通信展の開幕フォーラムにおいて、「5G+AIのイノベーションが継続、デジタル・インテリジェント経済の新時代を抱擁」と題した講演を行った。李上級副総裁は、5G+AIの新時代において5Gを代表とするデジタル技術がデジタル経済の質の高い発展を力強く勢いづかせているなどと述べた。

ファーウェイは3Dによる「斬新体験」にも注目

李副総裁はデジタル技術の影響の概況として、「中国は5G時代が始まって以来、世界の産業発展を着実にリードしてきた。将来を見据えると、中国の5Gは確実に一歩先に、さらにその先へと進んでいく」、「5Gの商用利用により、デジタル産業は何千もの産業のデジタル化のレベルアップをてこ入れしつつある。デジタル経済は常に実体経済の変革を促している」と述べた。

李副総裁は中国のデジタル産業は、それ自体が着実に発展しており、5G、移動体IoT(モノのインターネット)、ギガビット光ネットワークのユーザー規模は世界をリードしてると説明。5G技術はデジタルの応用の刷新を促進し、消費のアップグレードを推進しつづけており、ライブコマースやエンターテインメント、教育などの産業のデジタル化を推進するとともに、消費者に新しい通話、新しい映像、裸眼3Dなどの斬新なコミュニケーション体験をもたらしている。

李副総裁は、ファーウェイの関連状況について、3D技術の研究開発に積極的に投資することで、2Dの映像やライブ配信を短時間で3Dに変換し、3Dコンテンツの制作コストを大幅に削減できる「霊境3D」というソリューション」を開発したと説明した。

5G普及で産業に大きな変化、次は5.5Gの実現を

中国で5G技術が商用化されて4年が経過した。中国政府は5Gネットワーク構築を政策支援し、関連事業者は関連事業に力を入れてきた。李副総裁によると、鉄鋼、製造、鉱業、電力、港湾などの業界において1万6000以上の5G利用のプライベートネットワークが構築されており、このネットワークがけん引する経済規模は100億元(約2000億円)を超えた。また、5G端末の出荷台数は50万台を超え、業界のデジタル化をさらに加速している。

李副総裁は産業用の5GとAIを組み合わせて利用する例として、鉱山関連を挙げた。複雑で危険な地下での作業において、100以上のカメラチャンネルが低周波、大帯域幅の通信で情報をアップロードして、AI技術を利用して採掘現場の膨大な状況を再現し、坑内の作業を「すべて見える、はっきり見える」状態にした。

李副総裁は、中国が5G利用で世界をリードする状態になった要因として、国家が5Gについて明確な戦略的位置づけをして、周波数の割り当てでも支持し、通信事業者側は5Gのユーザー体験についての「シナリオ」をしっかり見定めた上でイノベーションを継続し、業界全体が一丸となって5Gアプリケーションのイノベーションと各社が連携した開発を促進したと説明した。

ファーウェイは6Gを実現する前に、5.5Gを先行して実現すべきと主張している。李副総裁は、まず必要なことは5.5Gの標準の策定だと説明、5.5Gの標準はすでに明確化しており、2024年前半には確定するという。李副総裁は、中国の産業界は5.5Gの標準のために多くの技術革新で貢献しているとして、その代表例として超巨大アンテナアレイであるMassiveMIMO技術を挙げた。同技術によって、高周波数のカバレッジを効果的に強化し、6GHzやミリ波などの新しい周波数帯を真に実用化することができるという。

5.5Gの実現に必要なことはすでに判明

李副総裁はさらに、ファーウェイを含む業界各社は、5.5Gについては標準の策定とともに、技術革新と商業的検証を通じて、ウェアラブル機器など小型で低消費電力のIoT機器を接続しやすくするための拡張機能であるRed Cap IoTや電源を持たない機器を接続するパッシブIoTなども含めて、通信とセンシングの融合などの新分野における5.5Gの応用を模索し、経済および産業にとっての価値を探っていかねばならないと主張した。家電製品を例にとれば、5.5Gを利用したパッシブIoTにより、物流の全過程を可視化することができ、効率を最大で30%向上することができるという。

また、5.5G時代の実現のためには、主要なチップメーカーが5Gミリ波商用チップを開発し、主要技術から産業エコロジーまで含めてミリ波利用の商業条件を整える必要があるとされる。李副総裁は、超大規模アンテナアレイによるMassiveMIMO技術をミリ波に適用することで、10Gbpsの下り最大速度を実現し、ファーウェイの革新的なビーム管理と結合することで、移動体に対するミリ波の連続カバレッジの問題を解決することができると説明した。例えば走行する車両からでも、ミリ波センシング技術により500メートル離れた10センチレベルの物体を識別できる検出精度を達成できる。

李副総裁は、5Gと5.5Gは強固なネットワーク基盤を構築するが、それを安全で信頼性の高い利用をするためには、コンピューティング技術の向上が不可欠と指摘。ファーウェイの場合、業界内のパートナーと協力して基礎部分のソフトウェアを含めて開発し、コンピューティングパワーの「入魂」に努力しているという。

李副総裁はファーウェイの考え方として、「通信事業者や業界内のパートナーと協力して、5.5Gの新しい礎を築き、デジタルインテリジェンス時代の新たな章を描くことを望んでいる」と改めて説明した。(翻訳・編集/如月隼人

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