Record China 2023年5月8日(月) 17時0分
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米フロリダ州下院でこのほど、中国国籍保持者の不動産取得を禁止する法案が可決された。同様の動きは米国の他の州でも見られるが、批判や抗議も発生している。
中国メディアの環球網は6日、米フロリダ州下院で中国国籍保持者の不動産取得を禁止する法案が可決されたことを紹介する記事を発表した。この法制定には、1968年に成立した公正住宅法に違反しているとして、中国系住民以外からも抗議の動きが出ているという。
米国は自国国籍と他国の国籍の両方を保有する二重国籍を認めている。同法案は米国国籍を所持していない、あるいは米国永住権を取得していない中国国籍所持者が、土地その他の不動産を取得することを禁ずるものだ。
同法案はフロリダ州下院で賛成95、反対17で可決され、今後は州上院に提出されことになる。同法案はまた、ロシア、北朝鮮、イラン、キューバ、ベネズエラ、シリアの国籍保有者が軍事基地や重要なインフラ施設から1マイル以内の土地を購入することを禁止するが、不動産の取得が全面的に禁止されるのは中国国籍所有者だけだ。
フロリダ州のロン・デサンティス知事や、「国家の安全保障」を確保するために必要と主張する共和党と一部の民主党議員は同法案を支持している。しかし、同法案は差別的であり、米国で1968年に成立した公正住宅法に違反する可能性があると主張する批判もある。
米国では1950年代から60年代にかけて、アフリカ系住民を中心に、人種差別の撤廃を主張する公民権運動が盛んに展開された。その大きな成果の一つとして1968年に成立したのが公民権法であり、同法中の、人種や肌の色、性別、宗教、出身国、障害の有無によって住宅の販売や賃貸を差別することを禁じる第8条と9条は公正住宅法と呼ばれている。
フロリダ州での中国国籍所持者に不動産取得を禁止する動きについては、中国系住民数十人がフロリダ州議会議事堂外で「全ての人は平等」「反アジア系法案を拒否せよ」と書かれたプラカードを掲げて抗議活動を行った。また、民主党に所属する同州議会のフェトリス・デリスケル議員は3日になり、同法案は違憲の可能性があると発言したと報じられた。
これまでの報道を総合すると、テキサス州やフロリダ州をなど米国の多くの州では、国家の安全保障を理由として、中国国民が米国で土地や住宅、あるいは全ての不動産の購入することを禁止する動きがある。これに対して、中国外交部の毛寧報道官は2月10日、「国家の安全保障の概念を押し広げて貿易や投資を政治化する言動は、市場経済の原則と国際貿易のルールに背いており、米国の市場環境に対する外部の信頼を損ねる」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)
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