2023年5月5日、中国メディアの光明網は、韓国の貿易収支が14カ月連続で赤字となる中で貿易構造に変化が生じていると報じた。

記事は、韓国産業通商資源部がこのほど発表した4月の貿易収支で、輸出額が前年同期比14．2％減の496億ドル（約6兆7000億円）、輸入額が同13．3％減の522億ドル（約7兆円）と26億ドル（約3500億円）の赤字になり、連続赤字は1997年5月以降で最も長い14カ月になったと紹介。輸出が「名刺」だった韓国経済が苦境に立たされていると伝えた。

また、韓国経済を支える最大の柱である半導体の輸出額が同41％減の63億8000万ドル（約8600億円）と9カ月連続のマイナス成長となったほか、ディスプレーが同29．3％減、石油製品が同27．3％減、石油化学製品が同23．8％減、鉄鋼が同10．7％減と主力分野も軒並み輸出が減少した一方で、自動車の輸出額は同40．3％増の61億5600万ドル（約8200億円）まで増え、このままいけば半導体の輸出額を抜くのは時間の問題だとした。

さらに、地域別では対米輸出がやや好転して91億8000万ドル（約1兆2300億円）だったのに対し、対中輸出は同26．5％減の95億2000万ドル（約1兆2800億円）と11カ月連続で対前年同期比減となり、両者の差がさらに縮まったと伝えた。

記事は、韓国の貿易赤字が1年以上続く一方で赤字額は年々減少しており、産業通称資源部の関係者が半導体輸出についても今年下半期に回復が見え始めるとの見方を示したと紹介。これに対し業界関係者からは「半導体価格の回復は期待できるものの、減産がすでに始まっており、業界全体の回復がいつになるかや、韓国の輸出をけん引できるかについては予測が難しい」との指摘が出ていると伝えた。（翻訳・編集/川尻）