人民網日本語版 2023年4月12日(水) 19時30分
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中国科学院古脊椎動物・古人類研究所は英ブリストル大学と協力し、今から約4億1000万年前の広西古魚類特異埋蔵生物群の中から甲冑魚類の新属「九尾狐甲魚」を発見した。写真は九尾狐甲魚の生態復元図。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所によると、同研究所の蓋志琨氏、林翔鴻氏、山顕任氏は英ブリストル大学と協力し、今から約4億1000万年前(デボン紀前期)の広西古魚類特異埋蔵生物群の中から、甲冑魚類の新属「九尾狐甲魚」を発見した。これは現在まで世界で見つかっている初めての尾びれが完全に保存された甲冑魚類の化石だ。
蓋氏によると、この新属の尾びれには指のような9つの又があるため、九尾狐甲魚と名付けられたという。 中国で最も早く甲冑魚類の化石が発見されたのは1913年だ。しかし甲冑魚類の体は主に軟骨と一部の鱗からなっており、化石として完全に保存されることがめったにない。そのため後頭部の身体の解剖に関する難題が過去100年以上にわたり未解決のままだった。2022年に「重慶特異埋蔵化石バンク」から見つかった「霊動土家魚」は初めて甲冑魚類の体の全貌を明らかにしたが、尾びれの詳細な情報が不足していた。今回見つかった九尾狐甲魚によりパズルの最後のピースがはまり、甲冑魚類の神秘のヴェールが剥がれた。
今回発見された九尾狐甲魚の長さは約10センチメートルで、体と頭殻の長さはいずれも約5センチメートル。全身が細かい菱形の鱗で覆われ、規則的に傾斜しながら並んでいる。 魚類の尾びれの面積と形状は、その遊泳能力を検証する重要な指標だ。最もありがたいのは、この化石は尾びれの収縮と拡張の2つの状態を完全にとどめていることだ。これは甲冑魚類の尾びれの形態の細部を最大限に示している。蓋氏は、「これは甲冑魚類が優れた遊泳者で、筋肉の収縮を活用し尾びれと水流の接触面積を制御することで、異なる推進力を生んでいたことを示している」と述べた。
研究チームはこれを踏まえた上で、九尾狐甲魚の幾何学的形状の遊泳速度について分析を行った。その結果、甲冑魚類の遊泳能力が高いことが分かった。その遊泳速度は一部のより進化した顎口類を上回るほどだ。「積極的な捕食傾向により顎口類が生まれた」という従来の仮説を否定した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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