凌星光 2023年3月23日(木) 15時0分
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WBC大会で日本が14年ぶりに優勝した。日本全国が喜びに沸き、とりわけ大谷翔平氏の目覚ましい活躍が注目の的となっている。
WBC大会で日本が14年ぶりに優勝した。日本全国が喜びに沸き、とりわけ大谷翔平氏の目覚ましい活躍が注目の的となっている。私が特に感銘を受けたのは、大谷氏が感想を述べた際、日本優勝の喜びを述べるだけでなく、世界で野球が盛んになることを望むと語り、とりわけ中国の名前を挙げたことである。
中国では2008年の北京オリンピック開催の際、野球に力を入れるようになったと言われる。しかし、今もって弱く、国民的人気も乏しい。今回、初戦で1-8で日本に負けた。にもかかわらず、大谷氏が中国の名前を挙げたのは、その潜在力に期待を寄せたためであろう。
大谷氏の言葉を聞いて、17年前の仙谷由人氏(政治家)の言葉を思い出した。
野球王の王貞治氏の父親は中国浙江省青田県の出身で、同郷の私の父母と親しい間柄にあった。とりわけ母の楊蘊玉は貞治氏の母親と親しく、高校時代の貞治氏の成長を見守っていたようだ。という関係で、貞治氏が2006年に胃がんの手術のため入院した際、私と母と妹で病院に見舞いに行ったことがある。貞治氏は97歳の母から「元気を頂いた」と喜んでくれた。
その頃、仙谷由人氏と時局について話し合った際、何となくこのことに触れると、仙谷氏は急に色めき、「自分も王貞治氏と連絡を取り合っている。胃がん手術の経験者としてアドバイスをした」と話し、貞治氏にはぜひ中国で野球がはやるよう努力していただきたいと熱く次のように語った。
「サッカーは世界的な種目として脚光を浴びている。ヨーロッパ、中国でも盛んだ。ところが、野球はアメリカと日本をはじめとする一部の国でしかはやっていない。もし中国で野球が盛んになれば、世界的種目に成長する。貞治氏はそれに貢献できるはずだ」と。
豊かになった中国で、野球が普及する余地は十分にある。中国チームをいかに育てるか、中国国民の野球への興味をいかに引き出すか、日中の野球界、ひいては世界の野球界の共通の課題だ。野球が世界の主要スポーツ種目に!仙谷氏と大谷氏の夢をそう遠くない将来に実現させたいものだ。
2023年3月22日午後1時
■筆者プロフィール:凌星光
1933年生まれ、福井県立大学名誉教授。1952年一橋大学経済学部、1953年上海財経学院(現大学)国民経済計画学部、1971年河北大学外国語学部教師、1978年中国社会科学院世界経済政治研究所、1990年金沢大学経済学部、1992年福井県立大学経済学部教授などを歴任。
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