大江健三郎さん死去、「中国に最も友好的な日本の作家」と中国メディア

Record China    2023年3月14日(火) 14時0分

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14日、新京報は、作家・大江健三郎氏の死去について「中国に対して最も友好的だった日本人作家の大江健三郎氏が逝った」と報じた。写真は北京の図書館。

2023年3月14日、新京報は、作家・大江健三郎氏の死去について「中国に対して最も友好的だった日本人作家の大江健三郎氏が逝った」と報じた。

記事は、大江氏が3日に老衰のため88歳で亡くなったとした上で、ノーベル文学賞受賞者ではあるものの村上春樹氏や東野圭吾氏のようなベストセラー作家ではなく、映像作品へのリメイクも少ないことから、中国では大江氏の作品についてはあまり知られていないとした。

一方で、大江氏が生涯に6度中国を訪れ、そのたびにメディアが盛んに報じたことから、大江氏という人物自体には多くの中国人が親近感を持っていると伝えた。また「中国に対して最も友好的な日本人作家」と称しても過言ではなく、09年の訪中時に魯迅像の前でひざまずいて涙を流した様子は特に印象的だったと紹介している。

さらに、中国の作家・莫言(モー・イエン)氏のノーベル文学賞受賞をその数年前から予言していた人物でもあり、莫言氏も大江氏の作品的価値と類まれなる人格的な魅力を評価し、その影響を受けたことを以前語っていたとも伝えた。

記事は、大江氏が日本の文学界、文化、歴史認識などさまざまな面について批評を展開し、特に歴史認識では「戦争の罪を犯した日本は、絶えず反省してこそ許され、世界と対等な交流を行うことができる」と主張していたことを紹介。米国の思想家フレドリック・ジェイムスン氏が以前「大江氏は日本で最も鋭い社会批評家だ。日本の他の作家とは異なり、日本の伝統的な陳腐な民族主義のにおいがしない」と評していたことを伝えている。

そして、大江氏の人となりや作品が見かけは柔和ながらも陰湿で退廃的な日本文化のみで説明できるものではなく、中国の唐文化、東方の禅宗的哲学や美学、西洋の現代思想や文化をそれぞれ深く理解した上で用いられているとし、「その言論や作品から発せられる開放的、外向的精神が、大江氏を『世界作家』たらしめている」と評した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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