半導体の春はいつ?サムスンメモリ事業、1~2月に3兆ウォンの赤字

Record Korea    2023年3月6日(月) 9時0分

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1日、韓国・中央日報は「サムスン電子が2月にメモリ事業で2兆ウォン台の営業赤字を計上した」と伝え、昨年下半期からの「半導体寒波」に最悪の業績を記録する可能性があるとの懸念を示した。

2023年3月1日、韓国・中央日報は「サムスン電子が2月にメモリ事業で2兆ウォン台の営業赤字を計上した」と伝え、昨年下半期からの「半導体寒波」に最悪の業績を記録する可能性があるとの懸念を示した。

記事によると、先月28日の段階でサムスン電子メモリ事業部は1~2月に約3兆ウォン(約3145億円)の営業赤字(推定値)を出すと伝えられた。複数の半導体業界関係者が「サムスン電子内部で1~3月期に最大4兆ウォンの損失が見込まれるとの報告が上がっているらしい」「ファウンドリ(受託生産)で収益を出してはいるが規模が小さく、大規模赤字を埋める水準ではない」と話している。現状としては、「半導体(DS)部門は1~3月期に2兆ウォン以上の営業損失を避けられない」とみられているという。

業績の大部分をメモリに依存しているSKハイニックスは「もっと寒い冬を過ごしている」と、記事は伝えている。市場では、同社は1~3月期に4兆ウォン台の赤字を記録するものとみているという。

昨年10~12月期のサムスン電子半導体部門の営業利益は、前年同期比97%減の2700億ウォンにとどまった。SKハイニックスは1兆7012億ウォンの営業赤字を出している。今年1月の半導体輸出はメモリ半導体の価格下落と需要減が重なり、前年同期に比べ44.5%急減した。

DRAMとNAND型フラッシュメモリの価格は今年に入って下落が続いている。市場調査トレンドフォースによると、DRAM価格は1~3月期に20%、4~6月期に11%、さらに下落すると予想される。NAND型フラッシュメモリもそれぞれ10%と3%の下落が見込まれるという。DRAM価格は昨年下半期だけで34%の急落を記録している。

さらに米国がサムスン電子とSKハイニックスによる中国内での生産・投資規制を強化する可能性が浮上しているという。サムスン電子は中国でNAND型フラッシュメモリの40%、SKハイニックスはDRAMの50%とNAND型フラッシュメモリの20%を生産しており、工程転換のタイミングを逃せば膨大な損失は避けられないと、記事は指摘している。

サムスン電子は1~3月期、過去20年間で最悪の「アーニングショック」が現実のものになろうとしている。同社がメモリ事業で年間赤字を計上したのは1990年代を除くと2001年(ITバブル崩壊後、10~12月期に半導体で2120億ウォンの赤字)と08年(グローバル金融危機により10~12月期に6900億ウォンの営業赤字)のみだという。

半導体などの輸出不振により、貿易状況も22カ月連続で悪化している。韓国銀行の発表によると、先月の韓国の輸出は物量・金額が2年8カ月ぶりの大幅減を記録した(ドル基準、暫定値)。4カ月連続の減少だった。

こうした「過酷な冬」に対し、「グローバルDRAM3強」の2位のSKハイニックス、3位の米マイクロンは、人為的な減産を公式化している。一方、サムスン電子は人為的な減産をすることはなく、正面突破する戦略だという。中長期需要に備えて半導体技術の競争力と市場支配力を維持するため、当座の損失は甘受するということで、今年も施設投資と研究開発投資は例年の水準を維持すると伝えられているという。半導体のサイクルは過去に比べ短くなっており、人工知能やビッグデータ、クラウドなど、新産業における需要急増の可能性があることが期待要素だという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「半導体だけでなく、輸出そのものの赤字が深刻な水準だ。大統領は何をしてるんだ?」「春どころか、ますます厳しい寒波が襲ってくるだろう」「戦争のせいで世界中の経済が崩壊している。政府はサムスンをはじめ大企業に力を貸すべきだ」「サムスンが滅びたら韓国はおしまいだよ」などの声が上がっている。

また、「そもそも半導体輸出の60%が中国だという偏った構造に問題がある」「対中国貿易赤字のせいだと、どうして言えないんだ?」との指摘や、「全ては文在寅(ムン・ジェイン前大統領)の残した結果だ」「文在寅の作品だね」など、前政権の責任を問うコメントも多く見られた。(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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