やはり日本語は難しい?台湾人ファンが新版「SLAM DUNK」の誤訳問題で大揺れに

Record China    2023年2月6日(月) 10時0分

拡大

「SLAM DUNK」は台湾でも、人気が高い漫画/アニメ作品だ。ところが、原作漫画を改めて中国語に翻訳して出版したところ、「誤訳が多い」としてファンが「大揺れ状態」になってしまった。

「SLAM DUNK」は中国語圏でも、人気が高い漫画/アニメ作品だ。原作漫画の連載が始まったのは1990年だが、台湾でも「灌籃高手(グアンラン・ガオショウ)」のタイトルの中国語版が出版されて親しまれてきた。ちなみに「灌籃」とは「バスケットに注ぎ込む」でダンクショットのこと、「灌籃高手」で「ダンクショットの名手」の意になる。その「灌籃高手」をめぐって、台湾では最近になりファンが「大揺れ状態」になった。「誤訳がある」との指摘があったからだ。出版社は過ちを認めて謝罪した。日本語独特の表現法があるため、誤訳が発生しやすいと指摘する翻訳家もいるという。

「灌籃高手」はかつて、大然文化という台湾の大手漫画出版社が翻訳出版したことがある。しかし同社は著作権関連で問題を起こすなどで、2003年3月に倒産に追い込まれた。そして台湾では近年になり、尖端出版という出版社が改めて出版することになった。台湾ではアニメ映画「SLAM DUNK THE FIRST SLAM DUNK」が、21年の制作発表時から注目され、公開後は春節(旧正月、2023年は1月22日)期における興行収入が第1位になるなど、同作品への関心が高まっている状況もあった。

ところが最近になり、尖端出版による「灌籃高手」には誤訳があるとする投稿があったことから、ファンの間で大きな騒ぎが発生した。誤訳を指摘したファンは、かつての大然文化版や日本語原語版、他の外国語への翻訳版を比較して、誤訳であることを確信するに至ったという。

ネットには「崩壊だ。本当に崩壊だ」などとする書き込みが寄せられた。そして「どの程度の誤訳なのか」といった議論が始まった。

例えば、主要登場人物の三井寿が、赤木剛憲に「引退しよーが 落ちる奴は 落ちるんだよ」と、赤木の考え方を批判して語る台詞が、尖端出版版では三井が自分自身の問題として「オレは引退したいんだ」などと訳している部分だ。

尖端出版も指摘を受け、作者の井上雄彦さんに連絡するなどもしたという。井上さんからは「へぇ~論争になっているんですね。三井のそのセリフは赤木に対して言ってますね」などの返信があったという。また、日本語を扱う翻訳の専門家からは、日本語と同作品の特徴として、主語を省略する場合などがとても多いために、誤読が生まれやすいとの指摘もあったという。

尖端出版はこの問題を受けて、謝罪と補償を表明した。問題の経緯については「翻訳者の理解不足による誤訳を編集者が発見できなかった」として、自らの責任を認めた。誤訳が存在したのは全巻のうち2巻として、2月中には修正版の印刷を開始すると表明した。また、すでに売り出されているものについては、購入しないよう呼びかけた。(翻訳・編集/如月隼人


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携