投資家「中国経済の最悪期は終わった」と楽観的に、イデオロギーに左右と懸念も―米メディア

Record China    2023年1月15日(日) 19時0分

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中国経済が「ゼロコロナ政策」などで打撃を受けるのを見てきた投資家が最悪期は終わったと楽観的になっている、と米メディアが報道。一方でイデオロギーに過度に左右と懸念する声もある。

中国経済が新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ政策」や不動産およびテクノロジー部門への締め付けで打撃を受けるのを見てきた投資家が「最悪期は終わった」と楽観的になっている、と米ブルームバーグ通信が報じた。一方でイデオロギーに過度に左右されていることを懸念する声もある。

ブルームバーグ通信によると、中国は昨年12月にコロナ対策の厳格な制限措置を撤廃したほか、オーストラリア産石炭の2年余りにわたる禁輸を解除し、アリババグループなどのテクノロジー大手への締め付けを緩め、不動産危機を悪化させたいわゆる「三つレッドライン」と呼ばれる政策を緩和するなど、一連の市場に優しい政策を打ち出した。

現在の問題は政策見直しが過去40年間にわたり中国経済の台頭を後押ししてきた柔軟性への転換を表しているのか、それとも景気悪化と自然発生的に広がったロックダウン(都市封鎖)への抗議活動に対する単なる条件反射的な反応なのかということだ。

今のところ市場プレーヤーは満足している。アリババとテンセント・ホールディングス(騰訊)は2023年に入り、時価総額が合わせて約1000億ドル(約13兆1800億円)増加。MSCI中国指数(米MSCI社が提供する株式インデックス)は昨年10月に11年ぶりの安値を付けて以来、約50%上昇した。ブルームバーグの集計データによれば、中国の今年の経済成長率は4.8%と予想されている。

グロー・インベストメント・グループのチーフエコノミスト、洪灝氏は中国の最近の変化について「驚くほどだ」と指摘。「環境はよりフレンドリーだが、根強い懸念があるのは明らかだ。実行と一貫性、継続がカギだ」と述べた。

習近平国家主席は昨年10月、異例の共産党総書記3期目に入った。米ジョンズ・ホプキンズ大学の洪源遠教授(中国政治経済学)は「政策転換の根本的な原因は意思決定の権限が習主席に集中したことだ。政策は習氏の性格やイデオロギー、気まぐれ、同氏が受け取る情報と受け取らない情報に過度に左右されている」と語った。

その習主席は9日、ビジネス界との「結託」は許さないと当局者にくぎを刺した。この発言に関してブルームバーグ通信は「国内経済を後押しする取り組みにもかかわらず、民間セクターの締め付けは今後も投資家の懸念材料になることが示された」と危惧した。

さらに「習氏は富裕層の利益を抑制するなどして格差是正を目指す『共同富裕』の取り組みを進める方針を示しており、こうしたアプローチをどの程度進めていくのか疑念は残る」とも伝えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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