中国が「コロナ死」基準を変更、専門家「国際ルールと完全に乖離」―独メディア

Record China    2022年12月22日(木) 13時0分

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21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、新型コロナの感染が拡大している中国で当局の発表する死亡者数の算定基準が変化していたことが明らかになったと報じた。

2022年12月21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、新型コロナの感染が拡大している中国で当局発表の死亡者数が非常に少ないとの指摘が出ていることについて、死亡者数の算定基準が変化していたことが明らかになったと報じた。

記事は、今月始めに中国政府が「ゼロコロナ」方針を転換して以降、今月20日までに当局が発表した新型コロナよる死亡者数がわずか7人にとどまっていると紹介。このデータに対して疑問の声が高まる中、20日に行われた国務院の記者会見で北京第一医院感染症科の王貴強(ワン・グイチアン)主任が新型コロナの死亡者数について「新型コロナ感染による肺炎、呼吸器不全を第1の死因とした場合」に限り、心筋梗塞などその他の疾患、基礎疾患が第1の死因である場合には死亡者数に算入していないことを明らかにしたと伝えた。

その上で「この根本を覆すような基準の変更について、公衆衛生の専門家は科学的な根拠に乏しいと指摘している」とし、米外交問題評議会のグローバルヘルス担当シニアフェローである黄厳中(ホアン・イエンジョン)氏が「4月に上海でパンデミックが発生した際に採用した、『死亡時にコロナに感染していた場合は、コロナによる死亡者に算入する』という国際ルールと完全に乖離するものだ」と語るとともに、「政治的な動機を否定することは難しい」との見方を示したことを紹介している。

記事は、中国政府が「ゼロコロナ」を放棄する以前は、新型コロナが非常に危険であるということをメディアが大々的に宣伝してきたのに対し、規制を緩和して感染者が急増すると今度は専門家たちがオミクロン株の感染力は低く、恐れるに足らないことを強調するようになったと伝える一方、特に感染が深刻だとされている北京市では、葬儀場や火葬場が休む暇もないほど対応に追われている様子が複数のメディアによって報じられるなど、死者が急増している様子がうかがえると紹介。香港紙・明報によれば12月17日だけで北京市で2700人余りのコロナ感染者が自宅で死亡したと伝えた。

そして、欧米諸国では新型コロナの死亡者数について、感染が直接死因になった場合と、間接的な死因になった場合の両方を算入しているとした上で、米ハーバード公衆衛生大学院の名誉教授でウイルス学が専門の李敦厚(リー・ドゥンホウ)氏が「中国は直接死因のケースと間接死因のケース両方について死亡者数を発表すべき。それは中国にとっても、新型コロナのコントロール状態を把握する上でメリットがある」と語ったことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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