2022年12月19日、米国際放送局VOAの中国語版サイトは、人口増加が鈍化している台湾で兵力不足が生じていると報じた。

記事は、中国からの脅威が日増しに強まり、対応を強化する必要に迫られている台湾で、兵力の供給に不足が出始めていると紹介。「兵力供給不足は国防予算や武器購入によって解決できる問題ではない」とし、問題の根源が「民主制度を実施している台湾で出生率の低下が生じ、十分な若い男性の確保が難しくなっていること」にあると伝えた。そして、台湾の人口が2020年から減少に転じていることを指摘した。

そして、出生率の低下による人口減少加速は台湾だけの問題ではなく、東アジアでは韓国の出生率が0．79と世界最低であるのをはじめ、日本が1．3、台湾が0．98、中国が1．15といずれも人口維持に必要とされる2．1を下回る状況にあると解説。人口減少は高齢化、労働力不足、学生不足による学校の経営難、消費力の低下といったさまざまな問題を引き起こすとしている。

また、中でも中国の問題は一層深刻で、さまざまな国内の難題を解決できない中国共産党当局が台湾への攻撃を含めた大きなアクションで窮地を打開し、人々の共産党政権に対する支持を強めたり、一切の批判を封殺する可能性があると論じた。

記事は、兵力の供給不足が懸念される台湾では市民の多くが兵役期間の延長に賛同する一方で、実際に兵役に就く若者層の一部から反対の声が出ていると紹介。台湾国防部がこの件について慎重に議論を進める意向を示していると伝えた。（翻訳・編集/川尻）