中国人が日本に出稼ぎに行くのは割に合うのか―華字メディア

Record China    2022年12月10日(土) 23時0分

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8日、日本華僑報網は、日本で働く外国人労働者が抱えている待遇上の問題について論じる記事を掲載した。

2022年12月8日、華字メディア・日本華僑報網は「中国人が日本に出稼ぎに行くのは割に合うのか」と題し、日本で働く外国人労働者が抱えている待遇上の問題について論じる記事を掲載した。

記事は、今から20年ほど前、中国国内の労働報酬がまだ非常に低かったころに日本など高報酬の国に赴いてお金を稼ぐ出稼ぎブームが起こったと紹介。それが中国経済の発展に伴って単純な出稼ぎ目的で出国する人は今や少なくなり、特に最近の日本は急激な円安によってアジアの新興国との賃金格差が一気に縮まり、出稼ぎ先としての魅力度が低下しているとした。

そして、出稼ぎ労働者が自国内と外国の賃金を比較するのと同時に、日本で長期間働いている外国人も賃金や待遇の「比較」を行っているとしつつ、その「比較」が「母国と日本との差ではなく、日本における日本人との格差なのである」と指摘。外国人と日本人の間には賃金だけでなく、雇用機会の格差も存在するとした。

その上で、日本の賃金構造調査によれば、非常に多くの外国人が日本企業で長期間働いているにもかかわらず正社員になれないでいることが明らかになったとし、日本で連続5年以上非正規労働者として働く外国人の割合が外国人労働者全体に占める割合は36%で、日本人の非正規労働者の2倍を超えていると紹介。その理由について「単に外国人に対する差別」と捉えることはできず、中途採用よりも新卒採用を重視する日本の伝統的な雇用形式が大きく影響しているとの見方を示した。

また、正規と非正規の違いは単なる肩書きにとどまらず、賃金水準の分水嶺にもなると説明。同じ勤続10年の外国人労働者でも、正規雇用の場合は勤続2年の社員に比べて2.2倍の賃金がもらえるのに対し、非正規雇用の場合は1.5倍にとどまるとした。さらに、国立社会保障・人口問題研究所の分析データによれば、日本の主要な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の在留資格取得者の20〜30歳における収入が日本人と大きく違わないと紹介している。

記事は、伝統的な賃金制度を変えようとせず、外国人の来日前の学歴や職務経験について評価できず、しかも外国人の非正規雇用者に教育を施す意識が低いという日本企業の姿勢が、外国人の日本企業での就労や正社員化、昇給を妨げていると論じた。

さらに、経済が低迷している時期にはなおのこと契約社員や派遣社員の外国人が容易に失業のリスクに直面することになるとし、厚生労働省の統計によれば新型コロナの感染が拡大した2020年6月にはハローワークに新たに登録した外国人求職者が前月の1.89倍と、日本人の1.15倍をはるかに上回ったと紹介。「外国人労働者にとって、日本は雇用体制上で多くの変革をなおも必要としていることがうかがえる」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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