2022年11月8日、韓国・YTNは「忠清北（チュンチョンブク）道・清州（チョンジュ）市が『日本の建築様式を模倣した建物』として旧庁舎本館の撤去を決めたことをめぐり、賛否の声が上がっている」と伝えた。

記事によると、旧本館は文化財庁による近現代建築物調査の結果、2度にわたり文化財登録の勧告を受けたことがある。清州市新庁舎建設計画が策定された当時保存が決まったが、その後旧本館の撤去と新庁舎の再設計案が出され、市がこれを受け入れた。建物の安全性、維持管理費問題と、「日本建築様式模倣論」が理由だったという。

最近、旧本館の価値評価を行った忠清北道建築士会は「日本の建築家、丹下健三氏の自宅と香川県庁舎を参考にしたとみることが合理的だ」と評価。「屋上が富士山と類似」「ロビー天井が旭日旗に類似」などの声があるとも指摘している。一部の市民団体もこれに同調し、旧本館前で撤去を求めるパフォーマンスを行うなどしているという。

一方、忠北市民社会団体連帯会議などは、旧本館は1999年の建築文化の年に地域の建築文化遺産として紹介されて以来、文化財庁から文化財登録を勧められるなどしている建築文化遺産だと強調し、「貴重な文化的資産を守るべきだ」と主張しているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「近代史の建物として残しておく意味はあると思う。日本が韓国を収奪した証拠だ」「恥の歴史も歴史だ。誇らしい歴史だけを残して子どもたちに教育するのでは、日本や中国と同じだ」「日本の残滓（ざんし）をなくそうというなら、国そのものを一度消滅させなきゃならなくなる」「韓国の行政そのものが日本式なのに、建物が似てるから取り壊せって？数千年間、朝鮮を支配してきた中国式はよくて、35年支配した日本式は駄目なの？」「日本式の飲食店も全部潰すか？」「建築インテリア技術はほとんど日本の残滓だから、そんな建物は全部取り壊そう。英文法も日本から来たものだから、それで英語を学んだ人は脳みそをリセットしよう。1990年代までテレビも音楽も日本のコピーをしてきたんだから、それも全部白紙にしないと」「日本式が嫌ならK-POPもなくすべき。イ・スマン（SMエンターテインメント創設者）が日本の未成年歌手コンセプトをまねたのが韓国アイドルの始まりだよ」など、撤去に異を唱えるコメントが多く寄せられている。

また、「何が近代遺産だ。さっさと撤去すべきだ。見苦しい」「さほど立派な建物に見えないけど、守る必要ある？」「残しておいてずっと眺めていたいほど美しい建物か？」「何の価値もなさそうに見える」など、撤去に賛成の声も上がっている。中には「当時の遺産なら保護すべきだが、模倣なのであれば撤去してもいいと思う」との声も見られた。（翻訳・編集/麻江）