ロシアの動員令逃れ韓国入り試みる「ヨットピープル」、「戦争難民」認定されるかに注目

Record Korea    2022年10月22日(土) 12時0分

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ウクライナ侵攻でロシアのプーチン大統領が下した「部分的動員令」から逃れ、韓国入りを試みる「ヨットピープル」が増加。「戦争難民」に認定されるかどうかに注目が集まっている。資料写真。

ウクライナ侵攻でロシアプーチン大統領が一般国民を対象に下した「部分的動員令」を逃れるため、ヨットで日本海を渡って韓国への入国を試みるロシア人が続々と現れている。韓国紙はこうした「ヨットピープル」が「戦争難民」に認定されるかどうかに注目している。

ハンギョレ新聞が国会議員を通じて入手した海洋警察庁の資料によると、今月1日から10日までの間に、ロシアから出発したヨット6隻に乗ったロシア人27人が韓国領海で発見された。このうち6人は韓国への入国が許可されたが、残りの21人は入国目的が不明で、関連書類(ビザ、電子旅行許可)が不十分だとして入国が禁止された。海洋警察庁は入国が拒否された人のうち10人に対して「自国での徴集回避目的の入国が疑われる」という報告書を作成した。

ハン・ドンフン法相は最近の会議で「ヨットを利用して入国しようとする外国人の中で、有効なビザの不所持か、あるいは電子旅行許可を得ていない人たちに対して入国要件の不備を理由に入国を許可しなかった」とし、「これは通常の大韓民国の出入国システムによる措置だ」と述べた。  

しかし、難民事件を主に担当してきた弁護士たちは、出入国当局の今回の措置は国連難民条約と現行の難民法に違反する素地があると指摘する。明示的な難民申請がなかったという理由で彼らを送り帰した場合、難民条約の定める「強制送還禁止」義務に違反しているという理由だ。難民条約は潜在的な難民申請者に対して関連手続きなどの案内をせずに入国拒否処分ができないように定めている。  

公益法センター「アピール」のイ・イル弁護士は「当事者が明らかにした入国目的が不明だと判断したならば、当局が入国目的を何とみなしたのかが疑問だ」として、「徴集令が下されたロシアの状況を考慮すれば、規定により彼らに難民申請手続きを案内すべきだ。『徴集拒否』は難民条約が定める難民認定事由だ」と話した。

ロシアのウクライナ侵攻に韓国政府が明示的に反対意思を明らかにした状況で、ロシア人難民に関する問い合わせが増えている中、「一貫した人道的基準」を一日も早く設定しなければならないとの声は多い。今月に入って難民を支援する市民社会連帯「難民人権ネットワーク」には、10人余りのロシア人が難民認定手続きなどを問い合わせてきたという。

難民人権センターのキム・ヨンジュ弁護士は「ロシアの状況を見たとき、強制徴集を逃れたいという事情は難民として認められる理由に十分値する」と強調。「2018年にイエメン難民を受け入れたのと同じ基準でロシア難民に接するべきだ」と主張し、韓国政府に対応を求めた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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