Record China 2022年9月26日(月) 7時10分
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独ダイムラー・トラックが中国で、新たにトラックの生産を開始した。写真は合弁相手の福田汽車の親会社である北汽集団が提供。
世界最大規模の商用車製造会社である独ダイムラー・トラックは23日、中国国内で同社ブランドのアクトロス・トラックの製造を開始した。人権問題などでドイツやEUと中国の関係は緊張の度合いを高めているが、ダイムラー・トラックは中国での事業展開を積極的に推進し続けている。フランス・メディアのRFIなどが伝えた。
ダイムラー・トラックは、中国の商用車メーカーの福田汽車などとの合弁会社において、アクトロス・トラックの製造を開始した。ダイムラー・トラックの親会社であるドイツ・シュツットガルトに本拠を置くメルセデス・ベンツ・グループによると、アクトロスはダイムラー・トラックの長距離トラックの旗艦製品だが、中国に対してはこれまで少量しか輸出していなかった。コストは現地生産より割高だった。
中国は国土が広大であるために、トラックに対する輸送需要は大きい。また高速道路の拡充などで、道路事情は大きく改善された。
ダイムラー・トラックの広報担当者は、現地生産することで中国市場に割安に提供できるので、販売台数が増加することを期待していると説明した。ダイムラー・トラックのアジア地域責任者で取締役でもあるカール・デッペン氏は、「中国は世界最大の大型トラック市場であり、成長の可能性はかなり高い」と述べた。
ドイツとEUは人権問題などで中国との対立の度合いを高めている。また、ドイツのベアボック外相は22日に、G7外相およびEU外交・安全保障政策上級代表が会談し、台湾海峡の現状への一方的な変更に反対を表明した、中国外交部の汪文斌報道官は23日の定例記者会見で、同表明に対して、「ドイツと他のG7メンバー国が『一つの中国』の原則を堅持することを明確に約束するだけでなく、現実化するための確実な行動をとることを望む」などと反発した。
しかし中国問題専門家のドリス・フィッシャー氏は、ドイツ政府が中国政策の見直しを検討しているとしても、中国市場をどのように位置づけるかは依然として企業が決めることと指摘した。
フィッシャー氏はさらに、ダイムラー・トラックのような国際的な地位を持つ企業は、重要な中国市場に進出せねば自社に損害を与えると主張した。新型コロナウイルス感染症に起因するサプライチェーンの問題を踏まえれば、企業として中国現地生産で強みを得ることが可能という。
独商業紙のハンデルスブラットによれば、ダイムラーと合弁パートナーの福田汽車は新工場の生産施設に約5億ユーロ(約700億円)を投資した。施設の敷地は40万平方メートル以上に達する。
新工場ではアクトロスの2製品シリーズを生産する。納品は11月の見込みだ。なお、生産される車両はディーゼル車であり、電気自動車ではない。(翻訳・編集/如月隼人)
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