2022年9月24日、中国メディアの財聯社は、米自動車大手フォードが、半導体不足ではなくエンブレムの供給不足により自動車の納品ができなくなっていると報じた。

記事は、フォードの広報担当者が「エンブレムが不足しており、すでに一部の自動車の納品を停止した」と語り、消息筋の話としてエンブレム不足が人気車種であるピックアップトラックのFシリーズに影響を及ぼしていると紹介。エンブレム不足を解決すべく同社の幹部が一度は3Dプリンターを用いてエンブレムを製造することを検討したものの、品質が基準に満たない可能性があるとして実現していないことを伝えた。

また、同社が数日前に「一部部品が不足する可能性があるため、4万5000台の在庫車が納品できない状態にある」と発表するとともに、サプライチェーンの問題によって同社の今年7〜9月期のコストが大幅に増加することも明らかにしていたと伝えた。

記事によれば、エンブレムの背景には、ミシガン州にあるサプライヤーが地下水路に工業用化学薬品を排出していたために今年8月に当局から営業規制処分を受けたことがあるという。

世界の自動車業界はこの1〜2年、半導体の供給不足に悩まされてきた。記事は、同社のエンブレム不足が、自動車業界のサプライチェーンで半導体以外にも供給不足が生じていることを示す一例であるとの見解を示し、電気自動車のスタートアップ企業Lucidも、ガラスやフロアマットなどの部品供給不足により今年の生産目標を下方修正したことを伝えている。（翻訳・編集/川尻）