中国で繰り返される新型コロナのロックダウン、「若者にメンタルヘルス危機」と海外メディア

Record China    2022年9月11日(日) 12時0分

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新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いロックダウンが繰り返される中国。海外メディアは「若者にメンタルヘルス危機」と報じた。写真は安徽省滁州市の大学。

中国で新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いロックダウン(都市封鎖)が繰り返される中、ロイター通信は「若者にメンタルヘルス危機」と報じた。この中では「メンタルヘルスに与えた打撃は今後20年にわたって続く可能性がある」との専門家の見方も紹介した。

中国は新型コロナの感染拡大をすべて封じ込めるという「ゼロコロナ」政策を継続。世界でも有数の厳格かつ頻繁なロックダウンを実施している。それが命を救うことにつながり、コロナ禍による死者が現時点で約5200人と低水準にとどまっている、というのが当局の主張だ。

ロイター通信によると、ツァン・メンさん(20)が精神的に追い込まれたのは昨年12月だった。気がつくと北京の大学寮の階段で泣きじゃくっていた。新型コロナ対策として繰り返されるロックダウンによる絶望感が原因だった。

ロックダウンに入ると、ツァンさんはほとんど部屋から出られず、友人に会うこともできなかった。食堂を利用する時間、シャワーを浴びる時間にも厳しい制約がある。人と直接会って交流することが大好きだというツァンさんにとって、そうした制約は「自分を支えてきたセーフティーネットが外され、私という存在すべてが崩れていくように感じた」という。ツァンさんは強い不安・うつ状態と診断された。

英医療専門誌ランセットの6月号に掲載された論文は「メンタルヘルスの不調が今後何年にもわたって中国の文化・経済に悪影響を与える兆候が出ており、中国のロックダウンは非常に大きな人的コストを生み出している」と指摘した。中国教育部による2020年の試算では、新型コロナ対策として長期にわたる行動制限を受けた国内の子どもや若者の数は約2億2000万人とされる。

20年4月に中国の3万9751人の生徒を対象に実施され、1月に米「カレント・サイコロジー」誌に発表された調査では、ロックダウンの期間中にリモート学習で勉強した中学生・高校生のうち約20%が自殺を考えたことがあると回答した。もっと幅広い年齢層を見ると、22年1~7月の中国の検索エンジン「百度」における「心理カウンセリング」の検索件数が前年同期比で3倍以上に増加している。

国営英字紙チャイナ・デイリーは6月、新型コロナ対策による制限がティーンエイジャーら脆弱(ぜいじゃく)なグループのメンタルヘルスに与えた影響に注目する記事を掲載。北京大学付属第6病院のルー・リン院長は記事中に引用された発言で「人々のメンタルヘルスに(コロナ禍が)与えた打撃は、今後20年にわたって続く可能性がある」との見解を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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