「30年前の敵」だった米国は、日本の半導体業界の救いになるか―香港メディア

Record China    2022年8月26日(金) 15時0分

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24日、香港01は、日本の半導体業界にとって「30年前の敵」だった米国は「救いの手」になるのかと題した文章を掲載した。

2022年8月24日、香港メディアの香港01は、日本の半導体業界にとって「30年前の敵」だった米国は「救いの手」になるのかと題した文章を掲載した。以下はその概要。

1980年代、半導体産業の後発者として急速に成長し、世界一の座を奪おうとする日本を脅威に感じた米国は、韓国と手を結んで日本に打撃を与えた。これにより日本のウエハー産業は輝きを失っていった。それから30年が経過した今、米中貿易戦争、台湾海峡危機、世界の半導体供給の逼迫(ひっぱく)といった状況から、米国がかつての宿敵・日本に対して「オリーブの枝」を差し伸べ、「チップ4」に招き入れようとしている。日本がたどってきた半導体の歴史を見ると、まさに「永遠の敵など存在せず、ただあるのは永遠の利益のみ」と感じるのである。

実際、世界の半導体供給に対する不安要素が増大する中で、日本は近年自国の半導体産業再興に向けた動きを見せてきた。2020年4月の経済成長戦略会議を経て、日本の電子部品企業が工場を日本に戻す動きを見せ始めた。今年5月に閣議で承認された「製造業白書」では、半導体産業競争力の重要性が改めて強調された。

また、昨年2月にはTSMCが日本で3D ICの研究を行う子会社設立を発表すると、日本政府はTSMCとの協力を通じた自国の半導体メーカーの成長に期待を寄せた。そして今年6月にはTSMCとソニー、デンソーが熊本県に建設中の半導体工場に最大4760億円の補助を行うことを決定した。

さらに、今年5月には日米両国間で半導体協力基本原則が締結され、両国が協力して半導体製造能力の向上とともに先進的な製造工程の研究開発の強化を進めることを約束した。このほか、日本では多くの半導体工場が間もなく生産を開始する予定だ。

総じて歴史は人をもてあそぶことを好むようである。米国に打ちのめされてから30年が経った今、日本はその米国から支援の手を差し出されている。しかし日本にとってはこの機会を生かすことは決して簡単ではない。日本の半導体業界では深刻な人材流出問題が起きているからだ。日本の有識者からは「半導体不足というが、最大の不足はエンジニアの不足だ。日本のエンジニアは08年の世界緊急危機後の大量リストラによってベテランがいなくなってしまった。これは補填(ほてん)しようのない巨大な損害だ」と指摘する声も出ているのである。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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