中国で批判殺到の電子リストバンド、すでに回収開始か―中国メディア

Record China    2022年7月15日(金) 16時0分

拡大

中国・北京市でこのほど、他の地域から来た人や自宅隔離をしている人たちに電子リストバンドの装着が求められ、物議を醸している。

中国・北京市などでこのほど、新型コロナウイルス感染対策として、他の地域から来た人や自宅隔離をしている人たちに電子リストバンドの装着が求められ、物議を醸している。中国メディアの第一財経が15日付で伝えた。

14日、あるネットユーザーが電子リストバンドの装着が求められたことをSNS・微博(ウェイボー)上で訴えると、同様の投稿が相次いだ。海淀区在住のあるユーザーは「深センから戻ってきた時に社区(団地、コミュニティー)からリストバンドを渡された」と明かした。広州市から(遼寧省)朝陽市に戻った別のユーザーも社区に入る際にリストバンドを受け取ったといい、「実際に装着しているかどうかを管理する人は今のところいない。社区の人も指示されて配っているだけ」と語った。

リストバンドは体温や血中酸素、位置情報などが計測されるようだが、実際にデータがどこかに送信されているかは不明。この件がネット上に投稿されると、「人権侵害だ」「犯罪者扱いするのか」「プライバシーを保護せよ」といった不満の声が高まった。

ネット上にアップロードされたリストバンドの写真によると、受け取った人によって製品のメーカーや合格証の有無がまちまちだが、いずれも「3C認証(中国強制製品認証)」と呼ばれる政府の安全性審査をパスした証明は添付されていないという。ある業界関係者は「体温などを計測する機能自体は技術的に難しくない。3C認証がないものは一般に小売りルートで販売できないが、特殊な内部供給ルートであれば認証が強制されるとは限らない」と述べた。

記事は、中国の新型コロナ感染対策のポイントは「感染した人を早期に特定すること」と「感染を広げるリスクのある人の行動を制限すること」の2つだと指摘。その上で、多くの地域では「健康コード(赤、黄、緑で健康状態を判定)」や「門磁(ドアに設置し開いたら通報される)」などでリスクのある人の行動を制限しているほか、医師らが訪問して定期的にPCR検査も行われているとし、「リストバンドの装着は余計なことのように思える」とした。

浙江大学国際聯合商学院デジタル経済・金融革新研究センター共同主任の盤和林(パン・ハーリン)氏は「電子リストバンドは多くの国において犯罪者に対する措置であり、その目的は犯罪者の情報を公開し、行動追跡を容易にするためのものだ」とし、「濃厚接触者は犯罪者ではなく、彼らの個人情報やプライバシーは保護されるべき。電子リストバンドを配って各種のデータを計測する必要性はない」と述べたという。

北京市内のある社区の委員会は「強制ではない。もともと(自宅隔離をする人は)微信(WeChat)グループで毎日体温を報告しなければならない。着用すれば報告する必要がなくなるが、着用しなくても問題はない」と説明。なお、第一財経によると、住民からは「リストバンドの回収が始まった」との証言もあったという。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携