人民網日本語版 2022年7月8日(金) 18時50分
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プレスカメラマンの経験を18年積んだ筆者は今年の春節(旧正月、今年は2月1日)明けから、スーツケースを引いて江蘇省南京市に向かい、南京伝媒学院の教壇に立つことになった。南京からそれほど遠くない上海市では、3月から新型コロナウイルス感染拡大が日に日に深刻になり、蘇州や無錫といった周辺都市にも拡散。南京でも散発的に感染者が確認された。そのため、大学に入る教員に対する規制も厳しくなり、初めは1週間に1度の届出でよかったものの、大学に入る1日前に届出しなければならなくなった。そして、最終的には、校内に住んでいる教員は学校から出ることができなくなり、外に住んでいる教員は学校に入ることができなくなった。オンライン授業の期日は何度も延長され、結局対面授業が再開されたのはメーデー(5月1日)に合わせた5連休明けだった。中国青年網が伝えた。
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校内で生活している学生は学校から出ることができなくなったため、学生たちは、毎晩運動場に集まってダンスを踊ったり、みんなで大声で歌を歌ったり、屋上でパルクールを楽しんだりするようになった。そして、夜になると、懐中電灯を持って学校の周りの壁近くを一晩中パトロールする人の姿もあった。
このような特殊な時期に、キャンパスは「避難所」のようになり、筆者はもう忘れかけていた「象牙の塔」にまた戻って来た気分になった。学校の周りの壁が、私たちをウイルスから守ってくれ、私たちにとっては外の欲望や誘惑から離れる時間ともなったのだ。ここには青春真っ只中の学生がおり、学生たちはちょっとしたことで楽しい気分になることができ、未熟ながらもとてもピュアだ。学生たちは輝く目で、遥か遠くにある夢を見ている。
卒業シーズンである6月になると、学生たちはマニュアルに従い、自由に学校を出入りすることができるようになった。学生たちはグループになって気晴らしに出掛けるようになり、学校に戻って来ることはできないとあきらめかけていた卒業生たちも馴染み深いキャンパスに戻ってきた。そして、アカデミックドレスを着て運動場に繰り出し、記念写真を撮影したり、タッセルを空に向かって投げたり、スポットライトの下でタッセルを右から左に回す儀式に参加したりしていた。卒業するのは「00後(2000年生以降まれ)」としては第一陣となる大学生で、4年のキャンパスライフのうち2年半は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、その「エピローグ」で、これまでの心残りが少し埋め合わされたかのようだ。
卒業集合写真の撮影は最後の日まで続き、全ての行事が終わった後も、広場に設置されたひな壇には別れを惜しむ卒業生たちがあちこちで座っている姿が見られた。その日の夕日はいつもよりもとてもゆっくり沈んでいくように感じられ、卒業生たちの顔が真っ赤な夕日に照らされ輝いていた。そしてまるで時間が止まってしまったかのような錯覚に陥る中、まるで油絵のようにドラマチックに赤く染まった空を時々カッコウが飛んでいた。
そして、月が空に上がる頃には、卒業生たちはすでに「未知の世界」へと旅立っていった。留学する人もいれば、公務員試験を受ける予定の人もいる。ある卒業生は就職説明会に何度も足を運んだと言っていた。今年、中国の新卒生は初めて1000万人の大台を突破し、1076万人に達した。昨年より167万人多く、規模も増加数も過去最高となった。それに呼応するように、今年は大学院受験生も462万以上に達している。
初めて教壇に立った私の最初の学期が幕を閉じた。新学期には、またキャンパスに戻って来て、この「浄土」を記録し、守り、成長する若者をサポートし、見守ることができるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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