人民網日本語版 2022年6月24日(金) 20時30分
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このほど山東大学宇宙科学研究院の研究チームは、地球の風が月面から蒸発した水を補充できることを証明した。資料写真。
月に水は存在するのだろうか。科学者は数十年にわたり、月に水が存在する証拠と可能な出処を探そうとしてきた。このほど山東大学宇宙科学研究院の研究チームは、地球の風(主に大気圏の酸素、窒素、水素プラズマ)が月面から蒸発した水を補充できることを証明した。
月の水の存在を証明する確たる証拠がさまざまあるが、これらの水がどこから来たのかについてはまだ定説がない。現在主流の理論によると、太陽から来た太陽風には正電気を帯びた水素イオンが含まれ、これらが月面に持続的に衝突することで月面物質の酸素原子と結びつき、月全体に分布するヒドロキシ基もしくは水分子を生成したという。
科学者は、太陽風によって作られた水が日照の加熱で「蒸発」し、うち一部が気温が非常に低い両極の永久に影に覆われたエリアに移動・沈降し、長い地質年代を経て両極に大量の水でできた氷がたまっていると考えている。そのため太陽風は月の水の主な出処の一つとされている。
しかし月は常に太陽風を浴びるわけではなく、毎月3~5日間は地球磁気圏尾部に入る。月は満月前後の2~3日間内に地球磁気圏尾部に入るが、この間に太陽風の影響を受けない月面で水を生成しない。それまでの太陽風により生じ、月面に溜まった水が、日照の加熱により大量に「蒸発」する。そのため月面の水は理論的には、これに相応して減少するはずだ。
ところが意外なことに、山東大学宇宙科学研究院の研究チームは月探査機「チャンドラヤーン1号」が取得したデータを分析した際に、月が地球磁気圏尾部に位置する時に、月面の水に顕著な減少が見られないことを発見した。磁気圏尾部に入る前、入っている間、出た後の月面の水含有量の変化を比較することで、研究チームは地球の風が月面から蒸発した水を補充できることを証明した。ゆえに太陽風の他に、地球の風も月面の物質との相互作用により同じように水を生成できる。
科学者はなぜこれほど月の水の出処を探し求めようと「執着」するのだろうか。水は地球型惑星の地質変化において最も重要な役割を担う。月の水の出処を特定すれば、科学者は月の起源の謎を解明し、太陽系における水の変化や太陽およびその磁気圏の活動の惑星・衛星システムへの影響への理解をさらに深めるのに役立つ可能性がある。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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