小島康誉 2022年6月25日(土) 13時30分
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6月16日、新疆タクラマカン沙漠を一周する鉄道が開業した。世界初の沙漠一周鉄道である。「人民网」「天山网」などが報じた。(写真は「天山網」より転載)
筆者は1月8日レコードチャイナ「私が見た新疆ウイグル自治区10」で「新疆の国道315号線沿いの和田~若羌(ルオチャン)が6月運行開始されるとタクラマカン沙漠一周鉄路が完成する」と記し、昨今の日中関係の停滞を憂いて「テレビ番組は大きな影響力を持っている。日中国交正常化50周年の2022年、新たな番組を是非!例えば『タクラマカン沙漠一周鉄路2700kmの旅』とか」と続けた。更に2月5日にはレコードチャイナ「新疆の世界遺産1」で「新疆の旅をネット上でお楽しみください」と記し、途中のキジル千仏洞・少数民族街・ニヤ遺跡などを巡る鉄路一周テレビ番組用シナリオを書いた。
タクラマカン沙漠は日本全土9割ほどの広大な面積、サハラにつぐ世界第二の大沙漠。新疆の中心都市である烏魯木斉から沙漠北縁の庫尓勒(コルラ)までは40年ほど前に開通。順次延長され、阿克蘇(アクス)・喀什(カシュ)・和田まで営業していた。また庫尓勒からチベット自治区へ繋がる若羌までも営業中で、和田~若羌825kmの鉄路建設が2018年末に開始された。内500km余は大沙漠の風沙地帯を通る難工事。その「和若鉄路」が6月16日営業開始、第一号列車はウイグル族の太鼓と踊りに送られ、和田駅を11時30分発車し、タクラマカン沙漠一周鉄道2712kmが開業した。烏魯木斉からも同日20時50分発車した。
タクラマカン沙漠一周鉄道は新疆ウイグル自治区大発展のシンボルとも言え、南新疆の人々の生活は更に向上するだろう。沙漠一周鉄道沿線には筆者にとって縁ある都市が連なっている。庫尓勒では巴音郭楞(バインゴリン)蒙古自治州成立50周年祝賀盛典に招かれた。その西の庫車には友人と希望小学校を建設し、郊外のキジル千仏洞では修復保存に協力し28年後に世界文化遺産となった。阿克蘇近くの寒村には農業用井戸を掘削した。喀什近くの町では街路灯多数を設置し、井戸も掘った。和田には博物館を建設し、若羌との間の于田と民豊はダンダンウイリク遺跡調査やニヤ遺跡調査を日中共同で展開した際の食糧や駱駝隊などの調達都市だ。民豊には博物館も建設した。若羌は楼蘭仏塔参観時に世話になった所だ。
新疆ウイグル自治区政府の友人諸氏も南新疆支援の「訪恵聚」プロジェクトで一周鉄道沿線の町々で活動中。町々には漢・ウイグル・カザフ・モンゴル族などの筆者親友も多数おられる。皆さんと再会するためにもクラマカン沙漠一周鉄道に是非乗りたい。コロナ禍が収まり日中間の往来が気軽にできる日を願うばかり。テレビ番組の実現も熱望している。
■筆者プロフィール:小島康誉
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 <新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方> 書籍はこちら(amazon) 小島康誉氏コラム
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