「三体人」が救われる?中国の科学者が「三体問題」の解を打ち出す―中国メディア

人民網日本語版    2022年6月22日(水) 20時50分

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上海交通大学の廖世俊教授とその指導する博士課程在学中の楊宇氏、暨南大学の李暁明准教授は「三体問題」の周期軌道の解を求めるルートマップを打ち出し、計算効率を大幅に高めた。

ニュートンの万有引力の法則により、引きつけ合う2つの天体の運動法則を正確に予測できる。それらの軌道はほぼ楕円形をしている。しかし3つの天体がある場合、例えば太陽、地球、月が相互に作用すれば、その運行にはどのような法則があるだろうか。SF作家の劉慈欣はSF小説「三体」の中で、一つの仮想の「三体世界」を描き、読者にニュートンが1687年に打ち出した有名な「三体問題」について科学的に説明した。

小説の「三体人」が暮らす惑星は、3つの恒星からなる三体システムの中を運行している。この3つの恒星の運動には何ら法則がなく、「三体人」の空には同時に2つか3つの太陽が昇ることがあれば、太陽が1つも昇らないこともある。これにより「三体人」の星では不定期的に絶滅が発生し、「三体文明」の崩壊と復活が繰り返される。

「三体問題」は300年以上にわたり、世界の学術界から広く注目され、史上最も有名な科学の問題の一つになった。上海交通大学の廖世俊教授とその指導する博士課程在学中の楊宇氏、暨南大学の李暁明准教授は国際的な学術誌「New Astronomy」に論文を発表した。「機械学習」と、その発明した非常に高精度な数値計算アルゴリズムを結びつけることで、「三体問題」の周期軌道の解を求めるルートマップを打ち出し、計算効率を大幅に高めた。「三体問題」の大量かつ正確な周期軌道を得るための基礎を築いた。

廖氏は2009年にカオス動的システム収束軌道を得るストラテジーである、正確な数値シミュレーション(Clean Numerical Simulation、略称はCNS)を打ち出した。CNSは数値の誤差を任意に小さくできることにより、カオスシステムの十分な時間内の収束の数値解を得ることができる。

研究チームは21年にCNSを利用し、同三体システムのランダム質量の13万5445の周期軌道を取得することに成功し、「三体問題」周期軌道の数を数桁増やし、ランダム質量の「三体問題」周期軌道(特に長周期軌道)の解を求めるCNSの有効性を証明した。

研究チームは22年、計算効率をさらに大幅に高めるため、CNSと機械学習を結びつけ、「三体問題」の周期軌道を得るためのルートマップを打ち出した。CNSは理論上、N体問題の周期軌道の解を求めたり、乱流の研究を行う上で使用できる。銀河系の変化、複雑な乱流の正確な数値シミュレーションなどに新たな研究ツールを提供した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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