イメチェン進行中、次のステップ目指す「ファーウェイ in JAPAN」

Record China    2022年6月19日(日) 8時30分

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ファーウェイは日本国内最大級のICTイベントである「Interop Tokyo 2022」への出展に際して、日本での事業展開を強くアピールした。

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華為技術の日本法人である華為日本(ファーウェイ・ジャパン)は15-17日に開催された日本国内最大級のICTイベントである「Interop Tokyo 2022」(会場・幕張メッセ)に出展して、多くの製品やソリューションを紹介した。今回の出展では、日本企業との協力の紹介に力を入れるなどで、「日本に根付いた事業展開」をより強くPRした。

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ファーウェイついては、「スマートフォンメーカーとして大躍進」のイメージが強かった。会場にいたファーウェイの関係者によると、イベントに出展した際にも昨年(2021年)ぐらいまでは、ファーウェイを「スマホメーカー」とだけ認識している人もいた。ファーウェイにとってスマートフォン関連は多くの事業の中の一部との認識が定着し始めたのは、最近になってからという。

ファーウェイはスマートフォンやスマートウォッチなど消費者向けのB to Cビジネスを推進しているが、このところは、他社に技術などをを提供するB to Bタイプのビジネスへの注力が目立つ。ファーウェイは他社との提携を極めて重視ししている。第一の理由は、自社が開発してきた技術は、極めて広い分野で活用することが可能だが、すべてを手掛けることは不可能との認識だ。次に、特定の分野に直接進出したのでは、その分野の既存の企業と激烈な競争が発生する可能性が高い。そうなれば自社も相手企業も大いに消耗する恐れがある。それよりも、個別分野の既存企業と提携して「ウィンウィン」の関係を構築した方が得策という判断だ。

ファーウェイは「Interop Tokyo 2022」への出展企業の中でも、かなり大きな展示スペースを確保したが、その一部を提携している日本企業との事業展開を紹介するコーナーに充てた。

千葉市内の幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2022」の会場の様子

出展したのはJCTechnology(ジェーシーテクノロジー)、ソニーマーケティング、阪神電車エンジニアリング、さらに、中国電信(チャイナ・テレコム)の日本法人である中国電信日本(CTAP)だ。JCTechnologyの場合には、ファーウェイのWi-Fi 6テクノロジーを活用した、Wi-Fiプラットフォーム構築サービスを手掛けている。ある程度の面積がある空間でも、自社とファーウェイの技術を結合することで、Wi-Fiルーターの設置台数を大幅に減らせたという。

ファーウェイは出展場所の一部を、協力関係にある日本企業の事業紹介コーナーにした

阪神エンジニアリングは、地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA)システムの提供を手掛けている。地域BWAの一つのサービスがカバーする範囲は、おおむね市町村程度までで、地域の公共サービスの向上や電波条件の不利地域の解消などにより、地域の公共の福祉の増進に寄与できるとされる。

阪神エンジニアリングは多くの場合、地域のケーブルテレビ局と提携して地域BWA事業を展開しているが、その際にファーウェイの機器を利用しているという。なお、阪神エンジニアリングは阪神電気鉄道の100%子会社だが、BWA事業は全国各地で広く展開している。

ファーウェイは展示スペースの一角で、さまざまなテーマについてのミニ・セミナーを実施したが、例えば「自立運転型ファシリティで目指す災害対策の充実化とインフラのデジタル化」と題したセミナーでは、自社の技術あるいは製品を導入することで、日本の国土や社会の条件に適した防災体制を構築できると説明した。

自然災害について極めて重要なのが、事前予測と発生後の早期発見だが、日本では管理やセンシングのためのインフラの整備は遅れているという。問題は、例えば人里離れた山間部にセンサーを設置する場合、「電源もなく光ケーブルも通じていない」ことを前提にせねばならず、しかも故障した場合の交換が極めて面倒なことだ。

「中国電信」とあるのは、日本国内で事業を推進する中国電信(チャイナ・テレコム)の日本法人

説明によると、ファーウェイはすでにiSitePower(アイサイトパワー)という太陽光発電を利用した自立給電統合ファシリティを確立している。シンプルなモジュール構築、低消費電力、メンテナンスフリーなどの特徴があるので、災害対策用のセンシングシステムに適しているという。なお、太陽光パネルについては暴風雨の到来を想定して、取り付け強度を高めるなど対策を施すという。もちろん通信には5Gを応用できる。

ファーウェイは今回の「Interop Tokyo 2022」への出展に際して、日本における事業事例や構想を、より具体的に紹介したと言える。

なお「Interop Tokyo 2022」で実施された優れた新製品に対する「Best of Show Award(ベスト・オブ・ショー・アワード)」では、ファーウェイが出展した製品やソリューションのうち6件が、グランプリや準ブランプリ、審査員特別賞を獲得した。

「パーソナルメディア&デバイス」では、MatePad Paper(メートパッド・ペーパー)が最高賞であるグランプリを受賞した。

NetEngine8000 M4 & A821E ルーターは「ネットワークインフラ(キャリア/ISP)部門」で、Mini FTTOソリューションは「ネットワークインフラ(エンタープライズ)部門」で、iSitePowerは「ファシリティ部門」でそれぞれ準グランプリを受賞した。

FTTR Wi-Fiソリューション「モバイルコンピューティング(Wi-Fiなど)部門」で、OceanProtect X9000 バックアップストレージは「サーバー&ストレージ部門」で審査員特別賞を受賞した。(取材 /構成 如月隼人

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