「安い日本」はいったい誰の得になるのか―華字メディア

Record China    2022年6月3日(金) 7時0分

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30日、日本華僑報は、「『安い日本』はいったい誰の得になるのか」とする文章を掲載した。写真は横浜中華街。

2022年5月30日、日本華僑報は、「『安い日本』はいったい誰の得になるのか」とする文章を掲載した。以下はその概要。

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ加速に伴い米ドル上昇の勢いがもはや抑えきれなくなった。なおも輸出を重要視している中国などの国にとって自国通貨の対米レート下落は輸出競争力増強につながるが、すでに輸出を経済の一番の柱としていない日本にとって円安はネガティブな面が多くなる可能性がある。そして一番問題なのは、日本政府が円安ドル高を抑制する行動を取れていないことだ。

東京商工リサーチが2021年12月に日本企業7000社に対して実施した調査では、30%近い日本企業が円安は悪影響をもたらすと回答し、良い影響を生むと答えた割合は5%にとどまった。民間の経済調査機関が総務省のデータから出した試算では、円安により製造業にもたらされる改善効果が、非製造業に与える悪化効果を大きく下回る結果となった。

日本が米国に追従して利上げを行い急速な円安を止めないのは、日本が今なおデフレから脱出していないからだ。アベノミクスで約束された物価の2%上昇も達成できないでいる。

2月に国際決済銀行(BIS)が発表した日本円の「実質実効為替レート」は67.55で、1972年の水準にまで低下した。これは、日本円の下落が実際は「日本の値崩れ」、すなわち日本経済全体の衰退であることを示している。「安い日本」が新たな流行語になるのも納得だ。

「安い日本」を引き起こした主な原因は、日本企業の従業員の賃金が十分に上昇せず、国民の消費意識が減退したことで、国民経済がデフレ、生産縮小という悪循環に陥っていることだ。最大の問題は、ここ数年における日本企業の販売不振が続いていることだ。例えば、日本の得意分野であるモーター機械業界では、2008〜20年で市場規模が40%増加した一方で、日本企業の売り上げ総額は逆に30%減少し、市場シェアはすでに米国、ドイツの同業者に抜かれてしまった。市場シェアを減らした日本企業は保守的になり、設備投資や従業員の賃金上昇に消極的になっている。

日本企業の競争力問題を解決しなければ、日本はさらに「安く」なる。そうなれば、他国企業に「日本を買う」チャンスを与えることにもなりかねない。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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