戦友が続々引退……羽生結弦は「孤独な勇者」になるのか―中国メディア

Record China    2022年5月24日(火) 13時20分

拡大

中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に、フィギュアスケートの羽生結弦は周囲の選手が続々と引退する中で「孤独な勇者」になるのかとする文章が掲載された。

中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に、フィギュアスケートの羽生結弦は周囲の選手が続々と引退する中で「孤独な勇者」になるのかとする文章が掲載された。以下はその概要。

オフは引退の時期でもある。先週、カナダのフィギュアスケート男子シングルのナム・グエンが、自身の誕生日に引退し、コーチに転身することを明らかにした。彼の引退のニュースを聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべたのが、2019年のグランプリ(GP)シリーズカナダ大会で、羽生、ナム、田中刑事がそろって表彰台に上がったことだった。羽生の脇にいたのは、ジュニアの頃から一緒に戦ってきた親友と、カナダのクリケットクラブに初めて練習に来た頃からの仲良しの2人だ。この美しいシーンが、3人そろっての最後の表彰台となった。「同期」でリンクに残っているのは羽生だけだ。

今年2月の北京冬季五輪の後に引退を表明したチェコのミハル・ブレジナ(ユヅのショートプログラムの後に取材エリアで待っていて大きなハグをしてくれた選手)を含めると、羽生の「同期」たちは本当にみんな引退してしまうことになる。平昌五輪の女子シングルで優勝したザギトワが19年に一時的な引退を表明し、北京五輪にはリポーターとして訪れた時、私は感慨にふけった。「ソチ、平昌の優勝者たちは相次いで引退しているのに、彼(羽生)だけはまだ戦い続けている」と。

実際、19年の時点で羽生が3回目の五輪に挑むとはあまり想像していなかった。22年になると、女子シングルはもちろん、男子シングルの選手たちも「羽生を見て育った後輩たち」ばかりになった。他の選手にとってはあわただしく流れていく時間が、羽生だけには止まっているように思えた。それは、彼が長くトップコンディションを維持し、ハイレベルを保ってきたことと関係がある。彼のキャリアがいつまで続くか分からないが、少なくとも彼は今のところ引退を口にしてはいない。

ナムも羽生と同じクリケットクラブで育った。慣れない土地と言葉が通じない状況に直面していた羽生を見たナムは、羽生を早く溶け込ませるために英語しか話さないチームをつくり、英語力の向上を促した。ナムは14年の世界ジュニア選手権で優勝したが、15年以降は男子シングルが4回転時代に突入したことやコーチの交代などがあり思うような成績を残せなかった。19年には調子を上げ、GPシリーズカナダ大会では神がかった演技を披露し、銀メダルを獲得した。久しぶりに親友と肩を並べて戦えたこの大会は、後にナムが語った「最も好きな試合」の一つになった。

この大会は田中も素晴らしかった。彼は会場に向かう際に自動車事故に遭遇したが、大きな影響を受けなかったのが幸いだった。その日、同じ年の親友と再び一緒に表彰台に立った。穏やかな性格の田中はいつものように、はしゃいでいる友人から冗談を言われたが、顔には相変わらずの笑みが浮かんでいた。田中は羽生と同じ年で、本当の意味での同期で友人だ。一足先に引退した日野龍樹と共に、4回転時代になってからは苦しんできた。

毎年、肩を並べて戦ってきた仲間たちが去って行く。何とも切ないような、どうしようもない現実である。しかし、ナムはクリケットクラブを離れた後も羽生を応援し続けているし、日野や田中もそうだ。日野は引退後のインタビューで「みんなが羽生世代って感じで、どんなにうまくなっても満足できない。常にうまくならなきゃって思ってきた世代だと思う。この世代で良かったと思っている。お互いがお互いを成長させてくれる。本当に良い世代」「先に辞めてごめんねって気持ち」「ユヅも刑事も言われなくても頑張る。だから、最後を迎えた時にお疲れさまという言葉をかけてあげたい」と語っていた。

田中が引退を発表し、日本人ではないけれど羽生と親しいナムも引退した。なんだか感傷的になってしまう。羽生は本当の意味で「孤独の勇者」になってしまったのか。いや、そうではない。羽生自身も語っているように、フィギュアスケートはそれ自体が孤独なスポーツであり、自分自身と闘う競技だ。身近な人が引退するとその感覚がますます強くなるかもしれない。しかし、羽生はその中でずっと愛される存在であり続けている。ファン以外にも、コーチ、デザイナー、振付師、アーティスト……。田中や日野、ナムのように常に付き添い、一緒に遊んだり盛り上がったりすることはないかもしれないが、彼らの羽生に対する愛とサポートは、常にあるのだ。

友人たちは引退したが、愛と友情が「引退」することはない。氷上の熱い仲間たちは、愛さえあればいつまでもあの日の「少年」のままなのだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携