「物価高、ウォン安、高金利の三重苦」、尹錫悦政権「金大中政権以来の最悪状況で発足」と主要紙

Record Korea    2022年5月14日(土) 13時30分

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10日に発足した韓国・尹錫悦政権について、主要紙は「物価高、ウォン安、高金利の三重苦に加え、ウクライナ戦争で貿易環境も最悪の状況にあり、金大中政権以降で最悪の対外環境」と報じた。写真はソウル

韓国の大統領に10日、尹錫悦氏が就任した。新政権の前途について朝鮮日報は「目前の現実は困難だ」と指摘。「物価高、ウォン安、高金利の『三重苦』に加え、ウクライナ戦争の影響で貿易環境も最悪の状況にあり、通貨危機直後に発足した金大中政権以降で最悪の対外環境」と報じた。

聯合ニュースによると、尹大統領は就任演説で「自由民主主義と市場経済の体制を基盤に国民が真の主人となる国へと再建し、国際社会で責任と役割を果たす国を造らなければならないという時代的な要求を受けてこの場に立った」と表明。経済成長も強調し、「飛躍と急速な成長は科学と技術、そして革新によって成し遂げることができる」と述べた。

5年前の文在寅政権発足時を振り返り、朝鮮日報は「朴槿恵大統領弾劾の影響による政治的混乱の収拾が優先だったが、経済状況は悪くなかった」と説明。「世界的な金融危機以降に続いた低物価・低金利基調に加え、文政権がスタートした2017年には半導体好況を追い風として、貿易収支が過去最高となる952億ドル(現レートで約12兆4000億円)の黒字を達成するほどだった」と続けた。

しかし、尹錫悦政権がスタートする22年の経済環境は当時とは比較にならない。4月の消費者物価上昇率は4.8%まで上昇し、過去14年で最悪の状況だ。ウォン相場は1ドル=1270ウォン台で、コロナ流行開始以降で最もウォン安が進んでいる。輸入物価が上昇し、インフレを加速させている。こうした状況を受け、韓国銀行(中央銀行)は利上げにかじを切り、市中金利も過去8年で最高の水準へと跳ね上がった。

原油価格と原材料価格が上昇し、輸入が増え、貿易収支は4月まで2カ月連続の赤字に陥った。年初来4月までの貿易赤字は過去14年で最大の66億ドルに達した。米国がインフレ対策のため、41年ぶりに政策金利の大幅な引き上げに踏み切り、世界の金融市場が動揺していることも悪材料だ。

記事は「国民の困難は増している」とも言及。「家計債務は文政権の不動産政策失敗で家計向け融資が急増し、1900兆ウォン(約190兆円)に迫る。コロナ禍の長期化で自営業者が最悪の状況に直面し、世帯全体の17.2%は『赤字世帯』だ。 金融研究院が8日までに発表した報告書によると、昨年時点で国内2052万世帯のうち354万世帯が赤字世帯だった。稼いだ収入を生活費など消費支出と融資返済に回せば赤字という状態だ」と危機感を募らせた。

こうした現状に世界経済研究院の全光宇理事長は「財政の健全性が国家経済の最後のとりでという事実は変わらない。直面するマクロ経済環境を反映し、公約の実行可能性と緩急の調整で優先順位を改めて決めるべきだ」と提言。明知大の金亨俊教授は「(革新系の)金大中政権も(保守系の)自民連と連立を組み、経済はそちらに事実上譲り、国民団結を成し遂げ、経済危機を克服することができた。今のような与小野大(与野党の勢力逆転)の状況では尹大統領もそうすべきだ」と助言した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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