米国と違い中国の若者に「打ちのめされた世代」は存在せず―理由と経緯を説明

中国新聞社    2022年5月15日(日) 16時20分

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米国では戦後、若者文化に関連して「打ちのめされた世代」と呼ばれる現象が発生した。中国メディアの中国新聞社は、中国ではそのような現象が発生しなかったと論じる文章を発表した。

米国では1950年代、「ビート・ジェネレーション」という現象が発生した。「打ちのめされた世代」とでも訳せばよいだろうか。本来は文学運動に端を発した用語で、要するに自国の既存の体制や文化面を含めて既存の権威を信じられなくなった若者の動きに結びついた用語だ。「ビート・ジェネレーション」の動きは、個人としての良心に忠実に従って、ベトナム戦争や人種差別に反対する運動につながった面がある一方で、「価値あるもの」を見いだせなくなった多くの若者が薬物におぼれたたり性の快楽を奔放かつ自堕落に追い求めたりする弊害ももたらした。中国メディアの中国新聞社はこのほど、「中国にビート・ジェネレーションは存在しない」と論じる文章を発表した。以下は、同文章に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。

■「打ちのめされた世代」が出現した米国と、近代以降の中国は状況がまるで違った

中国では改革開放の本格化に伴い、「今の若者は前の世代までの中国人とは違う」と主張する論調が繰り返し出現した。1980年代生まれの人を「80後」、90年代生まれなら「90後」、さらに2000年代生まれの人は「00後」と呼び、考え方や行動などに世代間の溝が存在するとの主張も増えた。

しかし中国政府がこのほど発表した「新時代の中国の若者」と題する白書は、責任感があり奮闘を続けるという中国の若者の集団像を世界に向けて示した。現代の中国の若者層は決して「ビート・ジェネレーション」ではない。また、中国に「ビート・ジェネレーション」が存在したことはなかった。

「ビート・ジェネレーション」とは、第二次世界大戦後の米国で発生した言葉であり現象でもある。この言葉で状況が大きく異なる中国という国の若者を形容することは適切でなく、客観的な説明になっていない。

まず、中国の若者は近代以来、愛国主義の血脈を代々伝えてきた。文学運動を見ても、清末から最近に至るまで「少年中国説」、「湖南少年歌」など若者の奮闘を扱った作品が多く発表された。中国の若者は近代以来、独自の精気、鋭気、覇気で国と民族を錬磨し、奮い立たせてきた。

「外とは主権を争い、内では国賊を除く」の叫び声と共に進められた1919年の五四運動は、若い学生による中国新民主主義革命の幕開けだった。中国共産党が成立すると、若者は先進的な力に導かれて、引き続き時代の先頭を進んだ。革命、新中国の成立、さらに改革開放に至るまで、時代の潮流を切り開く若者が、あらゆる時期に存在した。

■中国の若者は今も各方面で「奮励努力中」

最近では、新型コロナウイルス感染症の対策で、「若者突撃隊」という組織が32万チーム以上も結成された。彼らは消毒などの感染の危険と隣り合わせの作業を続けている。感染症との戦いの最前線で、若者550万人以上が奮闘してきた。

また、中国が力を入れる貧困撲滅運動でも若者数百万人が辺鄙(へんぴ)な農村部で滞在して、科学技術や文化、衛生の指導をした。多くは学生で、夏休みなどの休暇を返上しての社会実践だ。

中国は「嫦娥」、「天問」、「神舟」、「北斗」などいくつもの宇宙開発プロジェクトを進めているが、各チームの平均年齢はいずれも30代だ。「中国の天眼」と呼ばれる口径500メートルの固定式巨大電波望遠鏡の研究開発チームの平均年齢は、わずか30歳だった。中国の若者は、決して社会に背を向けず、社会を前進させるべく全力を注いできた。すなわち、中国に「ビート・ジェネレーション」は存在したことはない。

■中国の発展と若者のやる気が、極めて良好に組み合わさった

中国の若者が前向きなのは、若者の主観的な意思にのみに頼るものではない。唯物的史観によれば、社会という存在は社会の意識を決定し、ある時代において「人々が大いにやりがいがある」と考えるかどうかは、客観的な物質環境と条件により決定されると考えねばならない。

近代になって中華民族は立ち上がった。豊かになり強くなった。発展しつつある中国という国が、若者世代に発展のための舞台を与え、若者が底力を十分に発揮する場を提供し続けている。

若者の一部は、何についてもやる気を失って、いわゆる「寝そべり族」になってしまったとの主張がある。しかし白書「新時代の中国の若者」は、「新時代の中国の若者は、中華民族発展の最良の時期に生を受けた。より優れた発展の環境と声調のための空間を享受している」とする調査に基づく結論を示し、「寝そべり族」はごく少数であり、大部分は「奮闘族」だと指摘した。

中国の若者は、中国が対外開放され、社会がより豊かになり、高等教育が拡大する環境の中で成長した。中国の若者は中国と世界の発展の目撃者であり、発展による恩恵を自分自身が享受することができると考えている。そして、過去の世代よりも強い自信を持っている。

概して言えば、時代が青年を生み出し、国家の発展と民族の復興の過程は若者の努力とともにあった。中国の若者世代は、どの時期でも「打ちのめされる」どころか、「優秀な人材を代々輩出してきた」状態だ。祖国を愛すると同時に世界を配慮することができる中国の若者は、人口も億単位と巨大だ。中国の若者は、中国と世界にさらに大きな貢献をしようと、今現在も奮闘中だ。(構成 / 如月隼人

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