Record China 2022年4月30日(土) 22時10分
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2030年前後には次世代型移動通信システムの6Gの本格運用が始まるとの見方がある。中国企業のファーウェイや韓国のサムスンはすでに6G運用を見据えて戦略を展開している。
第5世代型移動通信システムの5Gについては、例えば2025年までの普及率が話題になるなど、現在もまだ「立ち上がり期感」が強い。しかし中国の華為技術(ファーウェイ)や韓国のサムスンはすでに、2030年前後に6Gの本格商用運用が始まることを前提に戦略を展開している。
■社会のスマート化を徹底するためには、5Gでも追いつかない通信速度
通信システムの「世代交代」の状況を知るための重要な目安が通信速度だ。例えば4Gについては、日本のNTTドコモについての実測で、180Mbps台の数字などが出ている(下り)。5Gはサービス開始の時点で下りが最大で3.4Gbpsだったという。1Gbps=1000Mbpsだから、通信速度は20倍近くになったわけだ。さらに6Gの場合には5Gの10倍あるいはそれ以上を目指すなどとされている。
5Gの登場が画期的だったのは、それまでは主に通信機器と通信機器の間で行われていた情報のやり取りが、IoT(モノのインターネット)などにも広く利用できるようになったことだ。このことで、各種産業のスマート化も本格的に進められるようになった。
しかし社会全体のスマート化を徹底するためには、5Gの能力をもってしても不足との指摘がある。例えば、自動運転のために車両にカメラを12台取り付けた場合、5Gによる通信では情報伝達がパンク状態になってしまう見込みという。そのために6Gの実用化は、社会のスマート化にともなう必然的な時代の要請ということになる。
■6Gの規格制定では、ファーウェイに大きな発言力か
6Gの登場時期について、韓国は2026年に6Gの実証実験に着手するとみられている。中国は、2030年に6Gを商用化する考えだ。業界では一般的に、2030年が6Gにとっての節目の年になると考えられている。
新たな通信システムを構築する際には、それに先行して世界規模での規格の制定をせねばならない。5Gの規格制定は主に欧米の企業や組織によって定められた。しかし中国企業のファーウェイは、その後に5G関連で大きな技術の革新を行い、ビジネスの規模も急拡大したことで、6Gの規格制定ではかなり大きな発言力を持つはずとの見方がある
■ファーウェイやサムスンに6G関連で具体的な動き
すでにファーウェイ上層部からは、6Gに関連する発言がしばしば聞こえるようになった。同社ICT戦略及び業務発展部の盖剛総裁は、27日に開催された「スマートワールド2030フォーラム」で、ファーウェイの6G通信ネットワークでは、「物理的特性」、「知的認知」、「多様なコンピューティング」、「自発的セキュリティー」、「多次元コンピューティング」、「シナジー」など6分野で進展がもたらされると説明した。
盖総裁はさらに、2030年にはデジタル世界と現実世界が「シームレス」に統合されていると説いた。また、コンピューティングは現実世界をシミュレートし、復元し、強化する能力を持つに至ると論じた。
一方のサムスンは、5月13日にオンライン方式による「第1回6Gフォーラム」を開催する。同フォーラムには韓国内外の専門家8人が参加する。日本からはNTTドコモの執行役員であり、6G-IOWN推進部長である中村武宏氏が参加する。(翻訳・編集/如月隼人)
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