Record China 2022年4月16日(土) 18時30分
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台湾国防部は軍事的危機や災害に直面した際の緊急対応に関する情報をまとめた「全民国防ハンドブック」のひな型を公開した。自分を守るため備えに役立ててもらうのが狙いだ。写真は台湾の『全民国防ハンドブック』。
台湾をめぐる軍事的危機や起こり得る災害に直面した際の緊急対応に関する情報をまとめた「全民国防ハンドブック」のひな型を国防部が12日、公開した。自分を守るための備えに役立ててもらうのが狙い。今後は各地方自治体が管轄地域の特性に応じて具体的な内容を追加していく。
台湾・中央通信社によると、国防部は戦時の国民の対応能力を強化しようと、昨年からハンドブックの編さんに着手していた。ハンドブックは緊急時に必要な情報を公開しているウェブサイトにアクセスできるQRコード一覧のほか、空襲警報の識別と避難▽建物倒壊や火事、停電、断水への対応▽救急医療▽生活必需品の不足への対応▽防災物資と救護の準備▽命を守るための基礎知識▽緊急通報ダイヤル▽予備役の動員に関する情報―が主な内容だ。
防災物資の項目では、準備しておくべき物資の一覧などを掲載。避難所や救急医療に対応する病院、生活物資の配布場所などの情報は地方ごとに情報を加えていく形になっている。国防部全民防衛動員署(全動署)物力動員処の劉泰益処長は「ハンドブックの枠組みはスウェーデンや日本などを参考にした」と説明した。
ハンドブックに合わせるかのように台湾軍は12日、中国軍の侵攻に備え、陸海空軍による演習を行った。北部・台北では早朝から軍用機のエンジン音が鳴り響き、市民から注目を集めた。国防部報道官は午前5時から同7時にかけて「全体防空作戦計画演習」を実施したと説明。訓練は正常に進められたという。
軍関係者によれば、中国軍の空襲を想定。戦闘機のF16と経国号(IDF)、攻撃ヘリコプターAH64E(通称アパッチ・ガーディアン)などを台北周辺に派遣。各部隊が適切に対処できるかを検証した。
一方、軍事問題のシンクタンク、国家政策研究基金会の掲仲副研究員は「軍は中国軍の台湾侵攻に対して強大な早期警戒能力を有している」と指摘。中国軍が戦略的奇襲を仕掛ける可能性は「ごくわずか」だとの見方を示した。
掲氏は人民解放軍が台湾に武力侵攻する場合、数十万人の兵力を中長距離に送る必要があり、3000万トン近い各種物資や580万トンを超える燃料を消耗するとの推計を列挙。「これらを迅速、即時、正確かつ絶え間なく台湾海峡周辺と台湾陸地の補給拠点に届けることが人民解放軍にとって最大の挑戦になる」との見解を述べた。(編集/日向)
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